このETCR用クプラは、リヤアクスルに2基のモーターを搭載するツインモーター仕様となっており、最大出力500kW(680PS)を発生。さらにモータージェネレーターを活用した回生ブレーキシステムも備えている。

 このEVマシンはベースとなったTCRスペックの『セアト・クプラTCR』に比べて現状で400kg程度車重が増えているものの、この強大なアウトプットのおかげで0-100km/h加速3.2秒、0-200km/h加速8.2秒というパフォーマンスを誇っている。

 ロッティはすでにいくつかの世界的な自動車メーカーの幹部と「真剣な話し合いを行った」としており、ETCRはヨーロッパやアジアなどの地域選手権を開催する前に、インターナショナル格式の国際選手権からスタートさせることを目指している。

 クプラ・レーシングは約2年前からこの電動ツーリングカーの開発をスタートさせており、TCRシリーズの創設時にワンメイク車両の『セアト・レオン カップレーサー』がTCR規定の“メートル原器”になったときと同様に、このEVツーリングカーが新たなETCR規定のスタンダードを担うことを示唆した。

「我々の最終的な目標は、電気自動車のツーリングカー・レースが現在の内燃機関モデルのレースと変わらない面白さがあることをファンに示すことだと考えている。技術的な観点からは、クプラがこのプロジェクトと新シリーズの創設に大きな役割を果たしてくれていることを強調しておきたいと思う」

 2020年の本格的シリーズ開始までの18カ月間、クプラ・レーシングは引き続きエネルギー回生やマネジメントの分野を中心に、研究開発を続けていくとしている。

『セアト・クプラ e-Racer』の開発ドライバーを務めてきたジョルディ・ジェネがデモランを担当した
テスラのワンメイクとなるE-GTが開催延期を発表しただけに、このETCRがEVツーリングカーの盟主となるか

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