ファイナルラップの29周目に入った表彰台争いは、その1コーナーにめがけ温存しておいたファン・プッシュを使用したフラーガがセラをかわして3番手へ。そのままコース全周でサイド・バイ・サイドとなった2台は、マシンをこすりつけるようにしてフィニッシュラインを通過。

 わずかコンマ2秒差で先行したフラーガが表彰台を手にし、選手権ポイントでもセラに3ポイント詰め寄る貴重なポディウムとなった。

 そしてピット戦略が見事に決まったゾンタは今季2勝目、SCB通算5勝目をマーク。バリチェロが6位、ピケJr.が7位に入り、午後のレース2に向けトップ10リバースの上位グリッドを確保し、起死回生を狙う状況となった。

 タイトル争いを展開する実力者たちがグリッド後方に控えたレース2は、リバースの妙味が存分に発揮されたバトル多発のレース展開となり、序盤はトップ10圏内がめまぐるしく入れ替わる。

 リバースポール発進のセザール・ラモス(ブラウ・モータースポーツ)が6周目にエンジントラブルで戦列を去り、首位を快走したアッティラ・アブレウ(シェルVパワー・レーシング)はジャンプスタートでドライブスルーを課されるなど、ポジションが頻繁に変動するなか、フリオ・カンポス(プラティ-ドナドッツィ・レーシング)を先頭に、バリチェロ、カサグランデ、ピケJr.、セラ、フラーガのトップ6でピットストップウインドウを迎える。

 ゴイアニアのミリオン・レース勝者でもあるバリチェロは、逆転タイトルへの望みを賭けて首位カンポスに猛烈なプレッシャーをかけていくが、何らかの接触が影響したか、バリチェロの111号車はボンネットフードやフロアに振動が発生しペースダウン。逆にポジションを失うと、そのままピットでレースを終える事態となってしまう。

 各車ルーティンピット終了後も、今季最高のパフォーマンスを見せていたカンポスも次第にマシンが不調を来し始め、後続に続々とパスされる無念の展開。これで首位に立ったウィルソンが今季2勝目。後半戦でセラを仕留めたピケJr.が自身初の2位表彰台。そしてフラーガが連続の3位表彰台を確保し、4位にディ・グラッシ、5位カサグランデ、6位にセラのリザルトとなった。

 これでタイトル争いは事実上297点のセラと272点のフラーガによる一騎打ちとなり、SCBの2018年シーズンは12月8~9日のインテルラゴスで最終決戦のときを迎える。

R1、R2とも上位で奮闘を見せた王者ダニエル・セラだが、ライバルに差を詰められる週末となった
R2でトラブルを抱えたルーベンス・バリチェロは、ピットでマシンを降りた瞬間にタイトルの可能性を失う
今季がデビューイヤーとなるネルソン・ピケJr.は、長い不振を乗り越え初表彰台
フォーミュラEとの並行で欠席もありつつ、今季4勝と地力を見せたルーキーのディ・グラッシはR2で4位

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