最終日午前のセッションで角田は、ちょっとしたトラブルにも見舞われ、12番手タイムを記録するに留まった。

「ニュータイヤを入れてタイムアタックしようとしたときに、周りにもアタックしているクルマが多かった。ほぼ毎コーナーで後ろからくるクルマに進路を譲っていました」

「そうしたら(タイヤの)グリップがまったく無くなって。タイヤに問題があるのかと思いピットに戻りました。エンジニアに確認してもらったら、タイヤカスの付き過ぎが問題だということが判明したんです」

「最悪でしたね(笑)。ニュータイヤも試せず、テンションも下がりました。午後に向けて自分がどの位置にいるのかがわからなかったので、あまりいい気分ではなかったです」

 近年、成績が低迷しているイェンツァー。2018年シーズンは予選ではトップ3に食い込むことができず、レースでは一度も表彰台を獲得できなかった。そんなイェンツァーについて角田は「来る前は自分がチームのことをなめていたところもあった」とする。

「今回のテストでどうなるのかが不安だった。しかしやっていくうちに、そんなに悪くないというか、そこまで低迷しているようなチームではないなと感じた。来年もこの状態なら戦えると思いました」

「メカニックとの相性もいいです。楽しい雰囲気でできていますよ」

 初めてのサーキット、初めてのGP3マシンで2番手タイムを記録した角田。この適応力の高さが2019年シーズンを戦う鍵となりそうだ。

レッドブルカラーが施されたイェンツァーのマシンを駆る角田裕毅

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