シニア・デベロップメント・エンジニアという肩書きでの採用となったが、彼はジャーマンに代わってグラハムのレースエンジニアを務めることにもなった。インディ500で2勝、インディ500でのポールポジション獲得3回の実績が彼にはある。
昨年のインディ・ポールはエド・カーペンターだったが、エド・カーペンター・レーシングのテクニカル・ディレクターがマクドナルドだった。
マクドナルドもイギリス出身。彼のレースキャリアはF1のチーム・ブラバムに始まり、アロウズに移籍。97年には元F1ドライバーのマーク・ブランデル(パックウェスト・レーシング)のエンジニアとなるべくアメリカにやってきた。

2002年にはチーム・グリーン(後のアンドレッティ・オートスポート)に移籍。2007年にはダリオ・フランキッティとインディ500で優勝し、その年のタイトルも獲得した。2010年からの2シーズンはファスト・レーシング~サム・シュミット・モータースポーツで過ごしたマクドナルド。
彼は2011年のシーズン後にアンドレッティ・オートスポートに復帰し、2012-2013年はマルコ・アンドレッティを担当。彼はチームのテクニカル・ディレクターとして2012年のライアン・ハンター-レイのタイトル獲得を支えた。
2014年からはシュミット・ピーターソン・モータースポーツに戻ってミカエル・アレシンとジェイムズ・ヒンチクリフを見た。そして、RLLR入り直前の2018年は前述の通りエド・カーペンター・レーシングでテクニカル・ディレクター、ジョーダン・キングの担当エンジニアを務めていた。
マクドナルドの加入により、RLLRは経験豊富なエンジニア3人が協力し合う非常にパワフルな体制になった。
マクドナルドが来たことでインディ500でのパフォーマンスアップが向上することは当然期待される。昨年のシーズン終了後に行われたタイヤテストですぐさま効果が発揮されたほどだった。
しかし、インディ500に限らず、エンジニアリング全体に向けられる新しい視点、異なる角度からの分析が彼によって行われ、エンジニアリングに深みが生まれる点がより大きい。
アンドレッティ・オートスポートでジョーンズと一緒に働いていた時期があるため、彼らのコミュニケーションは最初からスムーズだ。
早くも第3戦の予選1-2、そして琢磨の優勝という素晴らしい結果に繋がった。
2018年からは日本とアメリカでビジネスを展開する企業のアビームがデータ収集、解析でRLLRのエンジニアリングに参画。彼らはチームのスポンサーともなっており、RLLRの戦闘力アップに一役買っている。
チーム力を増すレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング。勢いそのままにインディ500、そしてチャンピオン争いの主役に躍り出るかもしれない。

