WTCC参戦前の2003年にBTCCイギリス・ツーリングカー選手権でのタイトル獲得して以来、「長期にわたりコンペティションの現場にコミットしてきた」というミューラーは「ここで競争の世界から距離を置き、レースシートから降りて家族との時間を優先順位の上位に据えたい」との希望を明かした。
「キャリアの終わりが来たという点において、その主要な原因が年齢でないことは明らかだ」と、47歳を迎えたミューラーは語る。
「それは主に欲望とモチベーションの問題なんだ。すべてのテストやシミュレーター・セッション、物理的なトレーニングや世界中を転戦するモータースポーツのシーズンを受け入れてこなしていくには、個人的なコミットメントのレベルが必要だ」
「プロフェッショナルとしてその準備をする覚悟が、もはや湧いてこない。それと同時に、自分の人生の時間において何か他のことをする時が来たのだ、ということだ。11年間のWTCC参戦を経てその決断を下す時が来た……ということを本当に幸せに思うよ」

また、ミューラーは自らのワールド・ツーリングカー・シリーズでのキャリアで、いくつかの素晴らしい経験があったとも付け加える。
「このシトロエン・レーシングとの3年間は、僕自身、チームに世界チャンピオンをもたらしたことがないのにも関わらず、本当に特別な時間だった」
「常にチームのレーシングプログラムを構築を助け、シトロエンC-エリーゼWTCCの開発に貢献できたことは、いつまでも自慢になるだろう。僕自身も仕事に情熱を持ってきたし、それ以上に激しい競争心を持った偉大な人々と働くことができた」
「ドライビングは僕の日常生活の一部であり、長い間そうしてきたから、それを止めることを想像するのは難しい。でも、自分のチームである”イバン・ミューラー・レーシング”の成長と、家族との時間を増やすために決断を下したんだ。だからその前に、チームの目標を達成するためにすべてを賭けるつもりだよ」
