角田と同じく名取にとってもはじめて走るスパフランコルシャン。フランス・ポー市街地での第2大会、ドイツ・ホッケンハイムリンクでの第3大会と不満が残るレースが続いただけに、早めの軌道修正を図りたいところ。しかし、練習走行1回目は11番手、同2回目は15番手とふるわなかった。
迎えた8日の予選1回目、名取は新品タイヤを2セット投入。「一部のチームは1セットだけでしたが、天気予報では決勝の時間は雨の可能性も示していたので、多くのチーム同様に僕らは新品タイヤを2セット入れた」と理由を語った。しかし、結論を先に言えばレインタイヤが必要なほどの雨脚にはならなかった。
時間を戻せば、1セット目の新品タイヤではミスこそなかったがさほど良いタイムではなかった。しかし、2セット目の新品タイヤでは、「走れば走るだけタイムを削れる印象」だったようで7番手となる2分11秒361を記録した。
「もう少し周回できれば良かったし、スリップストリームが使えていたらなお良かった。でも、リザルトは別にしてタイムアタック自体には満足している」と笑顔を見せた。
同日の決勝レース1、予選で使ったタイヤで戦ったハンデもあり、「序盤からペースが良くないと感じていて、後半になるにつれてタイヤの消耗が厳しかった。最後は防戦一方になった。集団の中での競い合いでは、オー・ルージュを挟んでのストレート2本は間合いが難しい。近すぎても遠すぎてもいけない。普段とは違う組み立てをしないといけない。でも、得られるものはあったので明日につなげたい」と前を向いた。
しかし、9日の予選2回目で名取は11番手と出遅れた。「自分のミスで順位を落とした。このサーキットは独特で駆け引きが大事。日本では体験できないコースで苦戦した」と話した。迎えた同日の決勝レース2、名取のスタートは悪くなかった。しかし、オープニングラップで3ワイドの競り合いになった際、軽い接触でエアロバランスが崩れてしまった。
「アンダーステアが出て走りにくかった」と名取。一時は5番手まで浮上して表彰台を視野に入れた。しかし、結果は6位。「今日は少し攻めたセッティングで、予想以上にアンダーステアが強くてタイヤの消耗も激しかった。最後はチームメイトにも抜かれた。ただし、ホッケンハイムよりは明らかに良い状態になっている。今回はちゃんとレースができたと感じた」と語っており、良い流れを引き寄せられているように見えた。
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第4大会終了時点のドライバーズ・ランキングは、158点(4勝を含む6表彰台、4ポールポジション、3ファステストラップ)の佐藤が首位、104点(2勝を含む4表彰台、2ポールポジション)のローソンが2位、98点(1勝を含む5表彰台、2ファステストラップ)の角田が3位。名取は34点で9位につけている。
次戦第5大会はハンガリー・ハンガロリンクで7月5~7日に開催される。