レース1での7位フィニッシュで午後のフロントロウを確保したドイツ人のレンツは、同じく同郷の大先輩であるラインアートを上回るダッシュをみせると、1コーナーを制して徐々にリードを広げていき、予選失敗から始まった週末の悪い流れを断ち切るスピードを披露。
一方の2番手ラインアートは、2年前まで自チームで走っていたハルムを3番手に抑え込むディフェンス一方のレースとなり、彼女が2018年まで使用していたIVECOで老獪なブロックラインを取り続ける。
2番手以降、後方8番手までトレーラヘッドの数珠繋ぎとなるレース展開にも助けられ、32歳のレンツが「先頭に立ってからは一切ミラーを見ず、毎ラップ予選のように走ったよ」と、うれしいETRCキャリア2勝目をマーク。2位に師弟対決を制したラインアート、3位ハルムのポディウムとなった。
明けた日曜は朝から雨の降るレインコンディションのなか、再び帝王ハーンが予選スーパーポールを制すると、ダンプ路面によりイエローフラッグ掲示でのスタートとなるも、前日に続いてポールシッターのハーンが快適な週末2勝目を獲得。これで開幕での2勝と合わせて7戦4勝と、早々に選手権を支配する勢いをみせている。
さらに、この難しいコンディションのなかで素晴らしいトラックコントロールを披露したハルムが2位に続き、IVECOがワン・ツー・フィニッシュを達成。3位に地元のキスが入り、表彰台で大観衆からの盛大な拍手に応えることができた。
そして週末最終ヒートのレース4は、リバースのフロントロウから出たクルシムが、ルーキーのジェイミー・アンダーソン(Anderson Racing/MAN)を早々に仕留めて今季初勝利。3番手発進のラッコはオープニングラップで先頭をうかがう猛チャージを見せたものの、スロットルトラブルでマシンを止める不運に見舞われる。
これでラインアートがR2に続く2位表彰台でIVECOが再びのワン・ツー。3位はアルバセテとなり、週末2度目のポディウムを獲得した。続くETRC第3戦は、2018年にWTCR世界ツーリングカー・カップとの併催イベントが行われたスロバキアリンクが舞台。しかし7月6~7日の2019年大会は、残念ながらETRCの単独イベントとなっている。