するとレース直前にシャワーがサーキットを覆い、ウォームアップラップを終えたグリッド上のマシンは全車スリックタイヤ装着ながら、この通り雨により路面は完全ウエットというトリッキーな状態でのスタートに。
その予想どおりオープニングの1コーナーで早速のアクシデントが発生し、ポールシッターのウォーターズに続けとジャンプアップを狙ったレイノルズのホールデンがマクローリンの右リヤに追突。これでペンライト・スペシャルカラーのコモドアZBは左フロントを破損し、DJRマスタングの右リヤはパンクに見舞われるダメージを負い、王者は憤慨したままピットへ。
ここでレコードライン上は乾くと予測したDJRチーム・ペンスキー陣営は、一度はウエットタイヤをあてがうものの急きょスリックタイヤ装着を決断し、再びシェル・マスタングをコース上へと送り出す。
このオープニングの混乱に乗じてポジションを上げたのは、ウエットを得意とするドライバーのSVGことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンで、3周目には3番手にまで躍進。対するフォード陣営のウエットマスターであるモスタートも、トップ10圏外から大きくジャンプアップし、ヘイゼルウッドをパスして4番手にまで浮上してくる。
その後、20周前後に最初のピットウインドウが開く頃にはライン上が乾き始め、ウォーターズ、ウインカップ、そしてマクローリンのチームメイトであるファビアン・クルサード(フォード・マスタング)らが続々とピットへと向かい、クリーンエアを狙ってセカンドスティントへと入っていく。
しかし時を同じくして、サインガードでは“再びの雨”を予想する情報が流れ、実際にトラック上でも小雨がパラつき始めると、ピットアウト直後の7回王者ウインカップがまさかのスピンオフからバリアにクラッシュ。これでSC導入となり一気にレースは動くことに。
このSCピリオド中にタイヤ交換を終えた上位勢はそれでも軒並みスリックを選択し、短い作業時間とタイミングで勝ったクルサードを先頭に、ラップダウンのマクローリンを挟んでウォーターズ、SVG、モスタート、ニック・パーカット(ホールデン・コモドアZB/Brad Jones Racing)のトップ5で26周目にリスタート。