リバースポールシッターでアクシデント回避なったフォレスティに加え、前戦R1で戦略的にタイヤ温存や給油量を確保して下位に沈んでいたマウリシオやデニス・ナバーロ(Cavaleiro Sports)らが、ピットストップを契機に上位浮上を果たしてくるなか、その主人公のひとりとなったのがR1で16位のピケJr.だった。
土曜はマシン不調から予選ポジションが24番グリッドとなっていたピケJr.は、戦略的にレース1のリザルトを諦めレース2に照準を合わせたストラテジーを選択。レース2に向けパルクフェルメ・インとなるスポーティングを逆手に取り、R1でのピットストップ時間を長く取って給油量を確保し、続くレースのファーストスティントの走行距離を確保するとともに、4輪ともニュータイヤに交換したのち、ラップタイムを抑えることでタイヤ摩耗をセーブしていた。
するとR2ではこの戦略がピタリとはまり、SNS人気投票で使用ドライバーが決定するオーバーテイクボタン、“FUN PUSH”も活用してルーティンピットを前に首位浮上に成功する。
「ブラジル最大のシリーズに復帰して今季で2年目になるけれど、昨日はまったく浮上の手がかりや糸口が見つけられないほどマシンの不調に苦しんでいた。だからこそ、戦略でこんな位置にまで戻ってこられたことが信じられない気分だよ」と、ピケJr.。
最終的にマウリシオが終盤でナバーロを逆転し1秒193差で勝利を挙げ、ドライバーズランキングでも2位を堅守。そのふたりに続いてピケJr.が3位表彰台を獲得し、フル参戦初年度に続き自身3度目のポディウムに登った。
「この週末、僕らが両方のレースで採用した戦略と、すべての努力に対してチームに心から感謝したい。トップを走るにはまだやるべきことがあるけれど、僕らは毎週少しづつ成長していると思う」とレースを振り返ったピケJr.は、幸運を引き寄せたもうひとつの要因も明かした。
「この週末は父のデザインに敬意を表した新しいヘルメットを投入したんだ。彼もまた、僕に幸運をもたらしてくれたんじゃないか、と感じているよ」
これで78点とし、帝王カカ・ブエノ(Cimed Racing)に次ぐドライバーズランキング11位に浮上したピケJr.。続くSCB第6戦は、8月10~11日にカンポ・グランデで争われる。



