その後、ガルシアは第2戦ベルギー(ゾルダー)で4位、第3戦イタリア(ミサノ)で6位につけた。表彰台は1度だけだったが、ガルシアの一貫性とミスのなさはそれを補うものだった。だが最高の結果が出るのはそれからのことだった。ガルシアはとうとう第4戦ドイツ(ノリスリンク)でシーズンにおける最大の圧倒的勝利を飾り、実力を証明した。ガルシアはポールポジションを獲得し、レース全体をリードした。
この勝利により、ガルシアはタイトル争いにおいて三つ巴の戦いをすることになる。ジェイミー・チャドウィックとベイスク・フィッセールが豊富な経験のおかげで、上位でフィニッシュするだろうが、マルタ・ガルシアが驚きの結果を出す可能性はまだある。
ガルシアはこれまでもすでに予想外の結果を出してきているが、フェルナンド・アロンソが、2000年にF3000に参戦していた際のスパ・フランコルシャンでの勝利を思い出しす人もいるかもしれない。2000年のアロンソのシーズンは全体的に思わしくなかったが、その日物事は彼に有利な方へ働き、彼は自分の世界へ入っていったのだ。
Wシリーズの前提について賛成であろうがそうでなかろうが、トップでフィニッシュしたドライバーがチームやスポンサーからある程度の注目を集めることは明白だ。そして注目を集めれば彼女たちは、さらにキャリアを継続するための十分な資金を得ることもできる。
近い将来に女性F1ドライバーが登場するには、これで十分なのだろうか?現在のところ、ジェイミー・チャドウィックはすでにウイリアムズと関わりを持っている。そして今シーズン末にさらに女性ドライバーたちが同様の状況になっても私は驚かないだろう。
ひとつアドバイスがある。マルタ・ガルシアに注目しておくことだ。彼女はあなたを驚かせるかもしれない……。

