続くセミリバースグリッド採用のレース2では、オープニングの1コーナーでマルチクラッシュが発生し、いきなりの赤旗中断。そのリスタートで首位に立ったのはラインアートで、キスを引き連れてこの2台が後続のパックを引き離す展開となっていく。
しかし直後に2度目のレッドフラッグとなり再度の仕切り直しが切られると、このチャンスを活かしたのはハルムで、彼女のイベコはキスのメルセデスを捉え、首位ラインアートの背後にピタリとつけていく。
かつてラインアートのチームに所属し、監督とエースドライバーという”師弟関係”だったふたりのバトルは12周のファイナルラップまで続き、ファイターらしい動きを見せたハルムが再三のオーバーテイク機会を迎えるも、そのたびに師匠がフタをする緊迫のバトルが演じられ、0.4秒という僅差でチェッカー。師の面目を保ったラインアートが今季3勝目を挙げている。
「どれだけ近くにいようと、最終周にリスクを犯して無茶をするつもりはなかったわ。彼のタイヤが厳しいのは見えていたしね。レネ(・ラインアート)がブレーキングして少しラインが動いたとき、私たちは軽いコンタクトがあったけど、ふたりとも姿勢を乱すほどじゃなかった。クリーンなバトルができて満足よ」と語ったハルムが、7月のスロバキアリンク以来となる2位表彰台に上がった。
続く日曜も前日のリピートを見るような展開になり、スーパーポールで最前列を得たハーンが、ラッコとキスを従えて再びライト・トゥ・フラッグの完勝を飾り、シーズン11勝目をマーク。最終レース4は、リバースのフロントロウに並んだアルバセテが、前日のリベンジとばかりに首位独走で逃げを打ち今季2勝目。2位クルシムに続いてラインアートが連日の表彰台に立っている。
これでハーンはポイントスタンディングスで272点とし、ランキング2位のアルバセテに対し85点差の大量リードを築き、シリーズは残り2戦。続く2019年第7戦はフランスに舞台を移し、ル・マン・ブガッティ・サーキットで争われる。



