「この状況でレッドブルやシェル(それぞれトリプルエイト・レースエンジニアリング、DJRチーム・ペンスキーを支援)以外のスポンサーがシリーズに留まる意義は見出しにくい。もし2020年に実施されないなら、我々がシリーズを去るまでだ」
現在VASCで使用される“Gen2”と呼ばれるCOTF(カー・オブ・ザ・フューチャー)規定シャシーは、すでにリヤエンドの共通化が実現しており、サスペンション構成やブレーキはコモンパーツとなっている。
しかしフロントに関しては一部遅れているのが実情で、フォード陣営はその現実を逆手に取り、2019年投入のフォード・マスタング・スーパーカーから“リニア・スプリング・ダンパー”と呼ばれる新兵器を投入。これも効果を発揮し、フォード勢がここまで25戦21勝というシリーズを席巻する強さを披露している。
チーム代表のロジャースも「そのため、コントロールダンパーと共通アップライトの導入こそが最善策で、それはコスト削減にもつながる施策となるはずだった。スーパーカーでの活動を続けるべく、そのビジネスプランを立てるため1週間か2週間の期限延長を要求したが、彼ら(スーパーカー運営)はそれを拒否した」と、決断の経緯を語っている。
1996年から現在のVASCに繋がるシリーズをホールデン(ボルボのファクトリーチームを担当した期間を除き)とともに戦ってきたGRMは、通算32勝を記録。その間、シリーズを代表するドライバーたちを数多く輩出し、スティーブン・リチャーズ、ガース・タンダー、ジェイミー・ウインカップ、そして連覇が濃厚なスコット・マクローリンら名だたる選手を育ててきた。
GRMは2019年初年度からエントリーするTCRオーストラリアと、こちらも今季創設の大陸史上最速フォーミュラ、S5000への参戦は継続するとしている。これにより、2020年のVASCグリッドには24台のマシンが並ぶとみられている。