物議を醸す決断のなかスタートした161ラップの決勝は、ポールシッターの888号車ウインカップ/ラウンズ組が優位を保ったままレースを進め、前日のアクシデントで24番手スタートを強いられた97号車SVG/タンダー組が怒涛の追い上げを披露。スタート担当のSVGが72周を終えてタンダーにスイッチする頃には、22台を抜き去り2番手でマシンを引き渡す離れ業を演じてみせる。

 さらに134周目にピットへ向かった97号車は、再びSVGへとステアリングを託すと、僚友888号車の8秒前方でトラックに復帰し、ついにトップランを手にして終盤戦へと突入していく。

 しかし、ここでも最後のドラマが待ち受けており、首位を行くSVGの左リヤから突然のスモークが上がり、レッドブル・カラーの97号車はダンパートラブルによりスローダウン。最終的に2ラップダウンの17位という“天国と地獄”を体現するリザルトとなってしまう。

 これで楽になった888号車ウインカップ/ラウンズ組が週末完全勝利のトップチェッカーを受け、この瞬間、2019年“エンデューロ・カップ”のタイトルも獲得。そして失意の最後尾からタイトル獲得のためだけにマシンを運んだマクローリンは、給油作業違反で15秒のペナルティを受けつつ9位でフィニッシュ。スッキリ晴れない形ながら、ドライバーズタイトル連覇を達成した。

「チームの仕事を誇りに思う。どんな不遇の状況でも僕らはフェアに成し遂げたんだ。今日は最後尾からスタートして、トップ10に入ることだけを考え、実際にそれを実現したんだからね。最終戦ニューキャッスルではチームとスポンサーのために、まだやるべき仕事が残されている。チームタイトルのため全力で勝ちに行ってやるよ」と、マクローリン。

 その言葉どおり、デビューイヤーのフォード・マスタングが猛威を振るった2019年VASCシーズン最終戦ニューキャッスル500は、11月22~24日の週末に争われる。

161周の決勝で間違いなく主役を演じたSVG/タンダー組だが、最後の最後で涙を飲む展開に
「本当のお祝いは最終戦の後だ」と、硬い表情のままドライバーズタイトル連覇の週末を終えたスコット・マクローリン
辛酸をなめた2019年の鬱憤を晴らすかのような週末を過ごしたウインカップ/ラウンズ組が”エンデューロ・カップ”のタイトルも獲得

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