──昨年はタイヤマネージメントにかなり苦労しましたよね。
松下:バーレーンは特に。あれから自分の走り方も変えたので、単純比較はできませんが。

──クルマ自体は昨年と同じですよね?
松下:はい。ディフューザーを少し形状変更したぐらいです。リヤのダウンフォースが上がっています。車重が重くなった分リヤのダウンフォースを大きくして、タイムを稼ごうというコンセプトなんでしょう。エンジンも、ちょっとだけパワーアップしてるようです。全然感じませんけどね(苦笑)。

──ホイールが大きくなった分、厳密には空力も大きく変わったわけでしょう。
松下:ブレーキングは大きく変わりましたね。ホイールが重くなる分、前に進もうとする力が確か60%大きくなってるらしいです。つまり60%、ブレーキの利きが悪くなっている。ガソリンを今まで以上に積んだ状態でレースをしているというか。本当に重いクルマで走ってる感じです。

──それを特に、ブレーキング時に感じるのでしょうか。
松下:全然止まらないです。今までの感覚でブレーキを踏むと行き過ぎちゃう。ロックするわけじゃなくて、止まらないです。

──ロックしない?
松下:そうなんです。

──レース本番では、ブレーキングの巧拙の差が顕著に出そうですか?
松下:出ると思います。止まりづらいから難しい。ブレーキングが得意な僕にはうれしい変更ですね。

──ブレーキ摩耗もひどくなるのでしょうか? そこも松下選手には有利な点ですね。
松下:そう思います。ブレーキ温度もかなり上がりますし。それをすぐに感じ取って、冷やすかどうするか、その能力が重要になるでしょう。踏力も上がっているし、微妙なデリケートなブレーキングがいっそう難しくなっています。イメージで言うと、今までディスク温度が最大600℃だったのが800℃まで上がっていて、その200℃の間は全然ブレーキが利かなくてただ摩耗してるだけ、みたいな。数値はあくまで例えですけどね。

──タイヤマネージメントよりも、ブレーキングの差がタイムに効く?
松下:そう思いますね。今年のタイヤは8kg重いんですね。単に静止状態での8kgじゃなくて、それが超高速で回転してるから、8kgのバラストを積んでいるのとは全然違うわけです。それだけ重い物体が回転してますから。

──なるほど。とにかくレースが無事にできるのを祈るしかないですね。
松下:本当に。F1も同様ですよね。日本もレースないですしね。

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実家でトレーニングを続ける松下信治

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