翌13日に行われた2019/20年“シーズン6”のファイナルラウンドとなる第11戦の予選では、ストフェル・バンドーン(メルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム)がポールポジションを獲得した。2番手には0.059秒という僅差でニッサンのブエミが続き、前日にフォーミュラE初表彰台を手に入れたラストが第11戦の予選でも速さを見せ、3番手タイムを記録している。
その決勝レースのスタートでは、ポーススタートのバンドーンがトップをキープして1コーナーをクリア。バンドーンは2番手のブエミに対し、1.6秒の差をつけてオープニングラップを終了し、リードを手にして2周目に入っていく。
予選3番手からスタートしたラストだったが、1周目にニック・デ・フリース(メルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム)にかわされてしまい、4番手にポジションダウンしてしまう。デ・フリースはその後、9周目にアタックモードを使用して2番手ブエミも捉える。このデ・フリースの活躍によって、そのカラーリングから“ブラックアロー”と呼ばれるメルセデスの2台がワンツーを独占した。
3番手に落ちてしまったブエミだったが、レース残り34分というところでアタックモードを使用してメルセデス勢にバトルを仕掛ける。一度はデ・フリースの前に出たブエミは、トップのバンドーンにも襲いかかるが、オーバーテイクするまでには至らない。
その後もブエミは、2回目のアタックモードを使用してバンドーンとバトルを展開するが、抜きつ抜かれつの状態が続き完全にはトップに立つことができない。そしてレース残り2分、3番手を走行するデ・フリースが最終コーナーでブエミのインに飛び込みオーバーテイクに成功、2番手に浮上する。レースはそのままフィニッシュを迎え、バンドーンがトップでコントロールラインを通過し、フォーミュラE初優勝を手に入れた。
2位にはチームメイトのデ・フリースが続き、メルセデスはチーム初優勝をワンツーフィニッシュで飾っている。ブエミは惜しくも3位となり、4位にはラストが入った。
この第11戦をもって2019/20年のフォーミュラEは終了となり、唯一の日本メーカーとして参戦を行うニッサン・e.ダムスは、チームランキング2位という好成績でシーズンを終えた。ドライバーズランキングではブエミが4位、ローランドが5位に入り、来シーズンの活躍にも期待を持たせてくれる年となった。来季、2020/21年“シーズン7”はFIA世界選手権初年度として、2021年1月にチリで開幕する予定だ。