──山本雅史マネージングディレクターは、ベルギーでの角田選手の戦いをどう見ましたか。

山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):レース1はポールからのスタートに始まって、しっかりタイヤマネージメントもできていて、いいレースでした。チームオーナーのトレバー・カーリンからは、「ピット作業でもたついて、申し訳なかった」と、謝罪してもらいました。

 しかしそこから角田くんが頑張って、ニキータ・マゼピン(ハイテックGP)に猛烈なアタックを仕掛けた。全部で4、5回繰り返したでしょうか。特にケメルストレートからのフルブレーキングでは、非常にアグレッシブな走りを見せてくれた。観ている私たちを、ワクワクさせてくれました。アグレッシブだが決して接触しない走りを続けて、結果的にそのしぶといチャレンジが、マゼピンのペナルティを誘発したのだと思います。本人は「自分で抜きたかった」と悔しがっていましたが、これもひとつのレースとして、いい経験をしてくれたと思います。

 ここまで様々なコース、状況に対して、柔軟に対応して結果を出している。今季後半の戦いも、非常に楽しみです。昨日の走りは、そんな思いをいっそう強く感じさせてくれましたね。

2020年FIA-F2第7戦ベルギー レース1 角田裕毅(カーリン)とニキータ・マゼピン(ハイテックGP)
2020年FIA-F2第7戦ベルギー レース1 角田裕毅(カーリン)とニキータ・マゼピン(ハイテックGP)

──レース2はいかがでしょう?

山本MD:スタートはよかったのですが、スパの1コーナーは非常に危険な場所で、それ以降もいくつか順位を落としてしまった。直後の接触事故も、ペナルティはまったく不条理だと思いました。その意味ではちょっと残念なレース2でしたが、まあ総じていえばレース1で優勝できて、新たな一歩を踏み出せたと思っています。

──表彰台の下にはヘルムート・マルコ博士(レッドブルのモータースポーツアドバイザー)と一緒にいましたが、どんな話をされたのですか?

山本MD:マルコさんは本当ににうれしそうで、向こうから「表彰台に行こうよ」と誘ってきました。チームバブルもあるので大丈夫かなと思ったのですが、他チームの人たちも行き出している。それで、じゃあ行きますか、と。マルコさんは1戦ずつ角田くんが成長していることに、非常に感動していますね。「ホンダも継続して、(角田選手を)サポートしてね」と言われてます。

──今回が初めての、生の表彰台だったんですね。

山本MD:そうなんですよ。前回のシルバーストンは、チームバブルで止めとこうと。でも今回は、レース1での優勝でしたしね。そこで勝ったのは、やはり大きい。クリスチャン(ホーナー/レッドブルのチーム代表)からも、「ヘルムートと一緒に表彰台に行かなきゃ」と言われました。表彰台下で直接君が代を聴くのは、やはりいいものですね。

2020年FIA-F2第7戦ベルギー レース1表彰台 角田裕毅(カーリン)&ミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)
2020年FIA-F2第7戦ベルギー レース1表彰台 角田裕毅(カーリン)&ミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)

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