「こうしてフルシーズンに必要な資金を調達することを目標に、チームとのコラボレーションを開始するこができた。現状はモータースポーツにとって厳しい時期が続いているけど、私はとにかく楽観的なの」と、チーム加入に向け意欲を示したフロスト。

「すでに年間予算の半分は確保する目処が立っているけど、残りのバジェットに関しては今後の数カ月が重要かつ決定的な期間になるでしょうね」

 そのフロストは、2020年にキア・デンマーク・レーシングに所属してデンマーク耐久選手権に参戦し、総合2位を獲得。2019年には一足早くTCR規定を採用していたSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権にもスポット参戦した経験を持つ。

「TCRのコンセプトはグローバルな展開が見込める点で、本当に良い“スターティング・ポイント”になる。そのデンマーク・シリーズは、この難しい2020年に多くの有力選手を集めて素晴らしいスタートを切ったと思う。そしてさらに強力になる2021年に、私自身もレーシングドライバーとして成長の機会を掴むつもりよ」

 一方、フロストの3日前に契約更新を決めた23歳のシルベストは、前輪駆動初経験だったにも関わらず、初年度のツーリングカー選手権で開幕戦での初優勝と6度の表彰台を獲得。エースを務めた“耐久王”マグヌッセンをひとつ上回り、ランキング3位の戦績を残した。

「2年連続でLMレーシングがチームに大規模投資を選択したことを非常にうれしく思う」と語ったシルベスト。

「僕と同じようにチームも高い野心を持っていて、新しいクプラのレースカーで勝ち続けるための準備をしている。早くも次のシーズンが待ちきれない気分だよ」

 そのデンマーク・シリーズ2年目のカレンダーは、初年度のリストから敢えなくこぼれる結果となったコペンハーゲンの伝統的市街地イベント『ヒストリック・グランプリ』が第3戦に組み込まれることが決定。都合4戦に終わった2020年の不足分を取り戻すべく、全7戦の暫定カレンダーが組まれている。

2020年はともに初年度で1勝ずつを挙げたマグヌッセン(中央)とシルベスト(右)
2021年に向け、都合4戦に終わった2020年の不足分を取り戻すべく、全7戦の暫定カレンダーが組まれている

■TCRデンマーク・シリーズ2021年暫定カレンダー

Round Date Circuit
Rd.1 5月8~9日 ユランリング
Rd.2 6月5~6日 リング・ユールスランド
Rd.3 8月6~8日 コペンハーゲンGP
Rd.4 8月20~22日 ユランリング
Rd.5 9月17~19日 オーフス
Rd.6 10月2~3日 ユランリング
Rd.7 10月15~17日 パドボル・パーク

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