20歳のルーキーは自力でマシンから脱出して事なきを得たが、前日にはモンティ・モータースポーツ製のシトロエンも同様の火災によるアクシデントを起こしており、序盤からレースの雲行きに暗雲垂れ込める展開に。
すると、SC解除後にはTCRヨーロッパ参戦者のホセ-マヌエル・サパーグ(シトロエンC4ラウンジ/FDCモータースポーツ)がギヤボックストラブルを抱えてシフトがスタックし、ターン3でスピンオフ。再度のSCランが続いていく。
この間も車列の中で明暗が分かれ、2016年王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)は8番グリッドから6番手にまで進出。トヨタのプライベーター、ミーダス・カレラ・チームのリカルド・リサッティ(トヨタ・カローラSTC2000)もフランコ・ジロラミ(フィアット・クロノスSTC2000/フィアット・DTAレーシング)を仕留めてポジションアップに成功する。
その一方で、今回もシングルグリッドの9番手からスタートを切ったルーベンス・バリチェロ(トヨタ・カローラSTC2000/TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニア)は、ブレーキトラブルを抱えて早々にリタイアに追い込まれ、今季好調のマティアス・ミラ(ルノー・フルーエンスGT/ルノー・スポール・カストロール・チーム)は、燃料漏れから26周目に戦列を去ることに。
優勝争いはそのままギャップを拡大して盤石のリードを確保するペーニャに対し、2番手ロッシが追いすがる展開となり、38周目にレース最大時間の50分に到達して決着。再三オーバーテイクの機会を伺ったロッシだが、秒差圏内に迫りながらわずかに捉えることはできず、ペーニャが今季3勝目。ロッシ、チャロッキの続く表彰台となった。
通常のチャンピオンシップでは、真夏の期間を迎えているアルゼンチンとそれに伴う高温の年末年始にはレースを行わないのが慣例だが、この異例のコンディションはマシンにとってもドライバーにとっても、厳しく過酷であることを証明するようなサバイバル戦に。そんな第7戦に続くラウンドは、次週1月16~17日の週末にパラナで争われる。



