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海外レース他 ニュース

投稿日: 2021.09.27 21:13

根本悠生 2021インターナショナルGTオープン第6戦モンツァ レースレポート

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海外レース他 | 根本悠生 2021インターナショナルGTオープン第6戦モンツァ レースレポート

Yuki Nemoto
International GT Open
Rd.6 Monza
2021.09.24〜2021.09.26
Race Report

■Introduction

 9月24〜26日、インターナショナルGTオープン 第6戦がイタリア・ロンバルディア州のモンツァ・サーキットで開催された。第5戦レッドブル・リンクを終え、ヴィンツェンツォ・ソスピリ・レーシング(VSR)の19号車ランボルギーニ・ウラカン GT3 Evoの根本悠生/バプティスト・ムーラン組は、ランキング2番手につける77号車ポルシェのアンディ・ソウセックに9ポイント差のランキング3番手につけている。シーズンをリードし続けるVSRのチームメイト、63号車ランボルギーニのフレデリック・シャンドルフ/ミケーレ・ベレッタ組とは33ポイント差で、モンツァでのレース1を迎える。

 今大会にはスポット参戦を含め、16台がエントリーした。そのなかにはVSRの3台目としてエントリーする16号車ランボルギーニの姿もあった。ドライバーは2019年のインターナショナルGTオープンのチャンピオンであり、2021年よりランボルギーニのファクトリードライバーに就任したジャコモ・アルト。そして2012年のチャンピオン、フェデリコ・レオのイタリア人コンビとなる。

 ランボルギーニとチームの母国であるイタリアで、63号車のチャンピオン獲得を確実のものとすべく送り込んだのか。それとも、『ランボルギーニ GT3 ジュニア・プログラム』に所属する4名(根本、ムーラン、シャンドルフ、ベレッタ)の実力を計るべくものだったのかは想像することしかできない。ただ、ランボルギーニのモータースポーツ部門『スクアドラ・コルセ』の責任者、ジョルジオ・サンナが、モンツァを訪れていたことはお伝えしておきたい。

■Free Practice

 19号車ランボルギーニは、公式セッション開始前日となる23日に行われた非公式のプライベートテストセッションと24日の公式練習で計75周を走り、セッティング出しに注力した。24日に行われたFP2では1分49秒277を記録し8番手。FP3では、今季ランボルギーニ・ウラカン GT3 Evoのポテンシャルを出しきることに苦悩するムーランに託し、1分50秒342で15番手という結果だった。なお、FP1はブロンズドライバーの占有セッションとなる。

24日の走行を終えた根本は「戦略的にプログラムをこなし、順調にペースを上げることができました。ここモンツァでは何度もレースをしていますが、走る度に新しい発見がありとても楽しいです」と語った。

インターナショナルGTオープンに参戦する19号車ランボルギーニ・ウラカン GT3 エボ(根本悠生/バプティスト・ムーラン)
インターナショナルGTオープンに参戦する19号車ランボルギーニ・ウラカン GT3 エボ(根本悠生/バプティスト・ムーラン)

■Qualify1:11th

 25日午前に行われた公式予選Q1。19号車はムーランが担当した。午後に行われるレース1では63号車が10秒、19号車が5秒とVSRの2台のみがハンディストップを負うことから、VSRの監督ヴィンツェンツォ・ソスピリはレース2に比重を置く戦略を取った。そのため、各車のエースを公式予選Q2に投入することとなったが、それでもポールポジションを獲得したのは63号車のミケーレ・ベレッタだった。

 2番手には18号車ホンダNSX GT3 Evo、3番手には週末の本命との呼び声高いRinaldi Racingの333号車フェラーリ 488 GT3が続いた。ムーランがステアリングを握った19号車はトップから1.2秒遅れる11番手でセッションを終えた。一方、ポイントランキングで19号車との直接対決を展開する77号車ポルシェは6番手。VSRの3台目、16号車は8番手に続いた。

YouTube:https://youtu.be/lewvZt4eXPo

■Race1:DNF

 ポルシェのカップカーが出走するGTカップクラスのマシンを含め、全26台が出走するレース1は、気温25.5度、湿度70%のドライコンディションのもと、スタートを迎えた。

 数台が第1シケイン“バリアンテ・レティフィーロ”をオーバーランするなか、11番手スタートの19号車ムーランは抜群のポジション取りで大きくポジションアップに成功し、7番手でオープニングラップを終える。その時点で、前方6番手に7号車マクラーレン、後方8番手にはランキング2位を争う77号車ポルシェが続いていた。

 77号車ポルシェはVSRにとって常に意識する存在だ。19号車が77号車とのランキング争いに制し、63号車とともにシリーズを1-2で終えることがチーム、そしてランボルギーニの望みだからだ。それゆえに、ムーランは背後につける77号車の存在を意識しすぎてしまい、判断を誤ることとなる。

 7番手で迎えた2周目の第1シケインにムーランはオーバースピードで進入し、先行する7号車マクラーレンをコース外に弾き飛ばすかたちで接触してしまう。19号車はフロントバンパーを大きく損傷させただけではなく、左フロントタイヤもパンクさせてしまい、翌周ガレージまで戻ることに。

 チームは損傷箇所を確認するも、修復は困難と判断し、19号車は根本の搭乗前に今シーズン初のリタイアとなった。さらに、接触の原因を作ったとして19号車には次戦スペイン・バルセロナ戦の公式予選Q1の結果に5グリッド加算のペナルティが課せられることとなった。

 根本は「チームメイトが11番手からコーナー2つで7位までポジションを上げる素晴らしいスタートを見せましたが、翌周の1コーナーでブレーキングポイントを見誤り他車と接触、リタイヤとなってしまいました。色々なことが起こるモータースポーツの世界ですが、うまくいかないときにどう流れを変えるか、というのも挑戦のひとつだと思います」と語った。

 レース1は9号車メルセデスAMG GT3が制した。ポールスタートの63号車はハンデが響くも2位を獲得。77号車ポルシェは5位でチェッカーを受けた。これにより、ランキング2位の77号車ソウセックと19号車のポイント差は15ポイントに広がり、ランキング4位につける77号車のもうひとり、アル・ファイサル・アル・ズベイルに3ポイント差まで迫られることとなった。

YouTube:https://youtu.be/lewvZt4eXPo

■Qualify2:5th

 26日午前に行われた公式予選Q2は、サーキット全体が分厚い雲に覆われる薄暗いなか、湿度89%というコンディションでスタートを迎えた。序盤こそドライコンディションとなったが、セッション中に降雨が予想されたため、各車は我先にとアタックを敢行する。

 根本悠生がアタッカーを務めた19号車はトップから0.2秒遅れとなる5番手につけたが、その直後よりモンツァ・サーキットに雨粒が落ち始める。雨量は急激に増加し、セッション開始10分の時点で完全なウエットコンディションとなると、残り5分38秒を残してセッションは赤旗中断となり、そのまま終了となった。

 ポールポジションは72号車マクラーレンが獲得。2番手に18号車ホンダNSX、3番手に333号車フェラーリ、4番手に16号車ランボルギーニが続いた。一方、77号車ポルシェは9番手、ランキングトップの63号車シャンドルフは1アタックでまとめきることはできず、11番手に沈む結果となった。

インターナショナルGTオープンに参戦する19号車ランボルギーニ・ウラカン GT3 エボ(根本悠生/バプティスト・ムーラン)
インターナショナルGTオープンに参戦する19号車ランボルギーニ・ウラカン GT3 エボ(根本悠生/バプティスト・ムーラン)

YouTube:https://youtu.be/ONWzllb-TpM

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