レース2はスタートから約5分後には雨が降り出すと予報されるなか、全車がドライタイヤでスタートを迎えた。しかし、フォーメーションラップの時点で雨が降り始めたため、2番手の18号車ホンダNSX、3番手の333号車フェラーリ、4番手16号車ランボルギーニ、そして77号車ポルシェ、63号車ランボルギーニら数台がフォーメーションラップ終了のタイミングでピットイン。
今大会3台でエントリーするVSRは1度に全車のピットストップができないため、19号車根本はコースにステイ。7号車マクラーレンに続く2番手でグリーンフラッグを迎えた。第1シケイン通過時点でトップに浮上した19号車根本はオープニングラップをリードするも、雨足は強くドライタイヤでの走行はタイムロスとなってしまう。
雨に足元をすくわれコースオフするマシンも出るなか、1周目終わりに19号車根本もピットイン。レインタイヤに交換してコースに復帰するも、フォーメーションラップ終了時点でピットに入った333号車フェラーリ、77号車ポルシェ、63号車ランボルギーニに先行を許すかたちに。翌周にはポールスタートの72号車マクラーレンもピットインするも、ドライタイヤで2周走行したことから大きくポジションを下げることに。
全車がウエットタイヤに交換した4周目、トップは333号車フェラーリとなり、2番手に77号車ポルシェ、3番手に63号車ランボルギーニ、4番手に19号車根本と続くかたちとなった。
6周目、63号車が77号車をパスし2番手に浮上する。この流れに続きたい根本だったが、背後からランボルギーニのファクトリードライバー、ジャコモ・アルトの乗る16号車が急接近。根本は7周目にかわされ5番手にポジションを下げてしまう。
16号車アルトは勢いに乗り、11周目には77号車ポルシェに第2シケインで仕掛けるが、コースオフ。各車アクアプレーニングによりストレートでもマシンが左右に振られる難しいコンディションのなか、トップ集団は一時均衡状態となる。
12周目にピットレーンオープンを迎えると、2番手の63号車ランボルギーニ、3番手77号車ポルシェが真っ先にピットイン。19号車根本は14周目にピットインし、後半スティントを担当するムーランにステアリングを託すと、ムーランは63号車の1秒後方でコース復帰を果たした。
ラップリーダーの333号車フェラーリ、23秒差で暫定2番手につける16号車ランボルギーニはともに16周目にピットイン。333号車は首位をキープしたままコース復帰するも、2番手には77号車ポルシェが浮上、16号車ランボルギーニは3位に後退する。
残り22分、17周目に差し掛かったところでコースオフしたマシンの回収のため、セーフティカーが導入され、21周目、時間にして残り12分+1周というところでリスタートを迎えた。
ここで63号車のシャンドルフが見事なリスタートを見せ、16号車ランボルギーニをかわし3番手に浮上する。さらに19号車ムーランも、第1シケインで16号車をかわし4番手に浮上する。ここから63号車と19号車は先行する77号車攻略に全力を傾けることとなる。
63号車がジリジリと77号車ポルシェとのギャップを縮めるなか、19号車ムーランは63号車から毎周1秒、トップの333号車フェラーリからは毎周3秒遅れるペースとなる。
これはチームのタイヤ管理のミスが原因だった。同じVSRの63号車と16号車のタイヤは高い温度をキープするも、19号車のタイヤは2台よりも20度も低いレンジとなっていたのだ。
そのため、19号車ムーランはペースを上げることができず、18号車ホンダNSX、16号車ランボルギーニ、そしてファイナルラップには17号車ランボルギーニと、次々とかわされることとなり、7位でチェッカーを受けることとなった。
レース2はスポット参戦の333号車フェラーリが初優勝。2位に77号車ポルシェ、3位にランキングトップの63号車ランボルギーニが続いた。
VSRはタイヤの温度管理も含め、19号車のペース不足の原因についてレース2終了直後からデータ解析等を進めている。次戦までに改善すべきところを見つけ、最終戦での今季初優勝を手にするべく、ハードワークで取り組むとしている。
2021年シーズンのインターナショナルGTオープンは全7大会14レースが開催され、そのうち獲得ポイントの最も少ない1レースを除いた13レース分のポイントでシリーズを戦う有効ポイント制を敷いている。
第6戦レース2終了時点で130ポイント(総獲得136ポイント)を手にした63号車ランボルギーニは、108ポイントで2番手に続く77号車ソウセックに対し、22ポイント差を築き、次戦となる最終戦バルセロナのレース1終了時点でのチャンピオン決定の可能性も出てきた。
一方、90ポイントを獲得した77号車アル・ズベイルがランキング3位に浮上。85ポイントの19号車はランキング4位に後退し、2位につける77号車ソウセックとの差は23ポイントに広がるという厳しい状況で10月22〜24日開催となる最終戦バルセロナを迎えることとなった。
2月のアジアン・ルマン・シリーズに始まり、世界3大耐久レースのひとつであるスパ24時間レースも経験した根本悠生の、2021年シーズンの最後のレースとなる最終戦バルセロナ。越えなければならない高い壁が立ちはだかるレースとなるが、チーム、そしてランボルギーニとともに全力で挑む戦いとなる。


YouTube:https://youtu.be/XSC5qybrXOs