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海外レース他 ニュース

投稿日: 2023.03.02 10:00
更新日: 2023.08.08 13:21

【2023年インディカーをゼロから学ぶ】ダブルポイント廃止でより混戦模様の王者争い。オーバルに専念の琢磨にも期待

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海外レース他 | 【2023年インディカーをゼロから学ぶ】ダブルポイント廃止でより混戦模様の王者争い。オーバルに専念の琢磨にも期待

 2022年シーズンは、最終戦までシリーズを代表する2チーム、チーム・ペンスキーとチップ・ガナッシ・レーシングのドライバーたちがチャンピオンを争い、チーム・ペンスキーのウィル・パワーが2014年以来となる2回目のシリーズチャンピオンを獲得した。

 チーム・ペンスキーは、ディフェンディングチャンピオンのパワーを筆頭に、2017、2019年の王者ジョセフ・ニューガーデン、そして昨年3勝を挙げシリーズ4位となったスコット・マクラフランの盤石の体制で今季も挑む。
 

連覇を狙うディフェンディングチャンピオンのウィル・パワー
連覇を狙うディフェンディングチャンピオンのウィル・パワー

 
 一方、ライバルのチップ・ガナッシ・レーシングは、シーズン中に2022年王者のアレックス・パロウの移籍問題が生じたが、パロウは残留。インディカー最強ドライバーとして君臨するスコット・ディクソン、昨年のインディ500王者マーカス・エリクソンの3名に加え、ルーキーのマーカス・アームストログをロード/ストリートコースで起用。

 そして、アームストロングとマシンをシェアしオーバルレースにチップ・ガナッシから参戦するのが佐藤琢磨だ。

 参戦14年目はオーバルレースのみのフル参戦とはならなかったが、名門チームへ移籍して挑む第107回インディ500では今年も優勝争いが期待される。琢磨の今季の最大の目標は、2017、2020年に続く3度目のインディ500制覇だ。

 琢磨が参戦するのは、インディ500のほかに4月のテキサス戦、7月のアイオワ2レース、8月のゲートウェイ戦の合計5レースだ。インディカーでの7勝目も期待したい。
 

チップ・ガナッシ・レーシングから2023年インディカーのオーバル5戦に参戦が決定した佐藤琢磨
チップ・ガナッシ・レーシングから2023年インディカーのオーバル5戦に参戦が決定した佐藤琢磨

 
 2チームのほかに注目なのがアロウ・マクラーレンSPだ。年々チーム力をアップさせているマクラーレンは、パト・オワードとフェリックス・ローゼンクヴィストに加え、2023年は長年アンドレッティ・オートスポートで参戦していたアレクサンダー・ロッシが加入。新たなチームで再び輝きを見せることができるだろうか?

 アロウ・マクラーレンSPはインディ500でトニー・カナーンの起用も決定している。このレースを最後にインディカーを去ると発表しているベテランドライバーのカナーン。ラストレースでの奮闘にも注目したい。
 

インディカーラストレースを発表したトニー・カナーン
インディカーラストレースを発表したトニー・カナーン

 
 ロッシが抜けたアンドレッティ・オートスポートは、コルトン・ハータ、ロマン・グロージャン、デブリン・デ・フランチェスコに加え、AJ.フォイト・レーシングからカイル・カークウッドが移籍する。

 カークウッドは、インディ・ライツ(今季からインディNXT)時にアンドレッティ・オートスポートでチャンピオンを獲得。古巣へ戻っての活躍が期待されている。

 ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したクリスチャン・ルンガーはレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから引き続き参戦。ルンガーとルーキー・オブ・ザ・イヤーを争ったデイビッド・マルーカスもデイル・コイン・レーシングと変わらない体制だ。

 予選で速さを見せたカラム・アイロットが所属するフンコス・ホーリンガー・レーシングは、2023年から2台体制となり、もう一台をアルゼンチン国内で通算15回のツーリングカー王者獲得経験を持つアグスティン・カナピノがドライブする。チーム力拡大によるアイロットの走りにも注目だ。

 レース開催サーキットのバラエティさもインディカーの魅力のひとつだ。

 世界3大自動車レースに数えられるインディ500を筆頭に、オーバル、ロード、ストリートのさまざまなサーキットでレースが繰り広げられる。それぞれ、走り方や作戦も大きく異なるから、インディカーはファンを飽きさせることのないシリーズとも言えるだろう。
 2023年シーズンのNTTインディカー・シリーズも引き続き17戦で開催。ベルアイルパークで開催されていた6月のデトロイトGPは、デトロイト市街地での開催に変更となっている。

 また夏は過密なスケジュールとなっており、9週間で8レースが実施される。ここで波に乗ることができるかが、チャンピオン争いにも大きく影響してくるだろう。
 

佐藤琢磨の2023年初戦となるテキサス・モータースピードウェイのオーバル戦は4月2日に開催
佐藤琢磨の2023年初戦となるテキサス・モータースピードウェイのオーバル戦は4月2日に開催

 
 インディカーのポイントシステムは、1位が50ポイント、2位が40ポイント、3位が35ポイントで決勝順位によってそれぞれポイントが与えられる。さらにリードラップを記録したドライバーに1ポイント、最多リードラップを記録したドライバーに2ポイント、ポールポジションを獲得したドライバーに1ポイントと1レースで最大54ポイントが獲得できる。

 また、今シーズンからインディ500で設定されていたダブルポイント制度がなくなったため、1レースでチャンピオン争いを大きくリードすることはさらに難しくなっている。

 毎年コンペティティブなレースが繰り広げられるインディカーレース。昨年は9レースで9人のポールポジションが生まれるなど予選から激しい争いとなっている。今年もその戦力図は変わらないだろう。

 チーム・ペンスキーとチップ・ガナッシの2強の王者争いとなるのか? それともアンドレッティ・オートスポート、アロウ・マクラーレンSPのドライバーたちがかかわってくるのか? まずは開幕戦で誰が好スタートを切るのか注目してほしい。

■NTTインディカー・シリーズ2023年レースカレンダー

日程 開催場所 コース
3月5日 セント・ピーターズバーグ市街地 ストリート
4月2日 テキサス・モータースピードウェイ オーバル
4月16日 ロングビーチ市街地 ストリート
4月30日 バーバー・モータースポーツパーク ロードコース
5月13日 インディアナポリス・モータースピードウェイ ロードコース
5月28日 インディアナポリス・モータースピードウェイ オーバル
6月4日 デトロイト市街地 ストリート
6月18日 ロードアメリカ ロードコース
7月2日 ミド・オハイオ・スポーツカーコース ロードコース
7月16日 トロント市街地 ストリート
7月22日 アイオワ・スピードウェイ オーバル
7月23日 アイオワ・スピードウェイ オーバル
8月6日 ナッシュビル市街地 ストリート
8月12日 インディアナポリス・モータースピードウェイ ロードコース
8月27日 ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ オーバル
9月3日 ポートランド・インターナショナル・レースウェイ ロードコース
9月10日 ウェザーテック・レースウェイ・ラグナセカ ロードコース

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