迎えたFL5型のグローバルデビュー戦には、総勢24台のTCR車両が集結し、土曜早朝のセッションからスネッタートンのロング版レイアウト『300』を使用しての走行に。この週末を前にドニントンパークで成功裡にシェイクダウンを終えたディフェンディングチャンピオンとFL5型シビックRは、プラクティス開始から長らくタイムボードのトップに居座り続けたが、最終的に18歳のアレックス・レイ(エリア・モータースポーツ/ヒョンデi30 N TCR)がタイムを更新してみせた。
続く予選ではブラッドリー・ケント(エセックス&ケント・モータースポーツ/ヒョンデ・ヴェロスターN TCR)が最速となったものの、速度超過のペナルティで降格。代わって、週末直前に代役起用で招集された元TCRヨーロッパ王者、ジョシュ・ファイルズ(エリア・モータースポーツ/ヒョンデ・エラントラN TCR)がレース1のポールポジションを射止め、5番手タイムだったスマイリーのFL5は4番グリッド発進へと変わった。
「本当にガッカリだ。残念ながらホイールスピードセンサーの断続的な読み取り不良により、僕らの過失ではない技術的違反で速度超過があったようだ」と、最後尾スタートに回ったケント。
明けた日曜のレース1はスタートで勝敗が決し、出遅れたファイルズは3番手発進の僚友ブルース・ウィンフィールド(エリア・モータースポーツ/ヒョンデi30 N TCR)に飲み込まれると、同じく先行されながらもマシントラブルで戦列を去ったアダム・シェパード(エリア・モータースポーツ/ヒョンデi30 N TCR)に代わって2番手に復帰。そのままチームのワン・ツーを維持してチェッカーを受けた。
その背後、ルイス・ブラウン(カメレオン・モータースポーツ/クプラ・レオン・コンペティションTCR)との3番手争いを繰り広げたスマイリーは、背後からのプレッシャーを受け続けたブラウンが10周目にワイドとなり、新型シビックに表彰台をプレゼントする結果に。
続いてトップ10リバースグリッドで争われたレース2では、後方8番手から上位進出を期したスマイリーが、コーナーのインカットで姿勢を乱しガードレールにクラッシュ。セーフティカー出動の引き金となってしまう。
3周目のリスタート以降、立て続けのオーバーテイクで首位を奪ったのはファイルズで、元欧州王者は追い縋るブラウンとのマージンもコントロールし、完勝パターンに持ち込んだ……かと思われた。
しかし背後のブラウンがファステストで詰め寄った残り2周の段階で、ファイルズのエラントラは白煙を上げてストップ。マーシャルを呼び消火器でエンジンのダメージを軽減すべく奔走したファイルズを尻目に、ファイナルラップを首位で周回したブラウンが勝利を手にし、レイとウィンフィールドのヒョンデ勢が続く表彰台となった。


