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海外レース他 ニュース

投稿日: 2023.07.19 20:33
更新日: 2023.07.19 20:34

13万人の地元ドイツ大観衆を前に、6冠の“帝王”ヨッヘン・ハーンが最終ヒートを制覇/ETRC第4戦

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海外レース他 | 13万人の地元ドイツ大観衆を前に、6冠の“帝王”ヨッヘン・ハーンが最終ヒートを制覇/ETRC第4戦

 こうして始まった週末は、金曜から計時予選とスーパーポール、そして決勝レース1を実施する変則スケジュールが採用されると、まずはハンガリー出身のチャンピオンが今季7度目のポールポジションを獲得。続くレース1でもスタート直後こそハーンにサイド・バイ・サイドを挑まれたが、すぐに持ち直して教科書通りの“ライト・トゥ・フラッグ”を達成する。

 明けた土曜午前開催となったレース2は、グリッド進行中に雨が落ち始め、前日とは打って変わってフルウエット勝負と化す。ペーストラック先導走行を開始して2周目のスタート以降、ライバルが続々とターン1の川でコントロールを失うなか、王者キスはスタート直後のスピード超過で10秒のペナルティを言い渡された上に、レース距離の75%を走行した9周終了時点で赤旗中断となったレースでも充分なマージンを築き、破竹の連勝を飾る結果となった。

 そのまま午後に向けて雨も上がり、ドライに転じた2回目の予選でもキスのスピードは衰えず。サッシャ・レンツ(SLトラックスポーツ30/マン)に約1秒の大差をつけてポールを得ると、現地17時55分スタートのレース3でも夕闇のなか3連勝を飾ってみせる。

 スタンドに詰め掛けたファンの多くが「今週末もチャンピオンのパーフェクトか……」と思い始めた日曜。公式発表で13万300人が来場したニュルでは、前日リバースグリッドが地元大観衆を沸かせる展開を演出する。

 先頭発進のジェイミー・アンダーソン(アンダーソン・レーシング/マン)に続き、2番手で出たアンドレ・クルシム(ドントタッチ・レーシング/イベコ)がスタートで失速。その背後で団子状態となったトレーラーヘッドの集団内では、アントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)とシュティフィ・ハルム(チーム・シュバーベン・トラック/イベコ)が肉弾戦の末に接触。スペイン出身アルバセテのトラックは、このダメージで息絶えることに。

 ここから奮闘を見せたハルムは、背後から猛然と順位を上げてきたハーンとキスの2台を抑え込み、数周にわたって素晴らしいディフェンスを披露していく。しかしオープニングの接触で負ったダメージは彼女の側にも蓄積しており、ホームレースでの栄誉を目前に、6周目でリタイヤを喫することに。

 これで前が開けた2台は、首位を行くアンダーソンをあっさりと捕まえると、チャンピオン同士の意地を感じさせる6周の死闘を演じ、地元の“帝王”が現役王者の4連勝を阻止する開幕以来のトップチェッカーを達成。プロモーターズ・カップ登録となる息子のルーカス・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イベコ)も、ギアボックスに問題を抱えながら、総合優勝をさらった前年度を彷彿とさせるクラス優勝を果たしたことで、ハーン親子がホームの観衆による大歓声に包まれるエンディングとなった。

 依然としてチャンピオンシップのスタンディングでは王者キスが独壇場を続ける2023年のETRCシーズン。続く第5戦は、こちらもシリーズおなじみの地であるチェコ共和国のアウトドローモ・モストで、8月26~27日に争われる。

変則3日間のタイムテーブルとなった週末でも、王者ノルベルト・キス(Révész Racing/MAN)が圧巻の走りを披露する
予選セッションで獲得可能なすべてのポールを奪取するという連続記録を更新したキスが、週末3勝を挙げてみせた
地元での表彰台獲得も見えたシュティフィ・ハルム(Team Schwabentruck/IVECO)だったが、接触のダメージにより万事休す


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