マクラーレンの元チームプリンシパル、ロン・デニスが、エンジンを供給するメルセデス・ベンツとの関係改善がマクラーレン側の意志であったことを明かしている。
いわゆるワークス待遇という形で長年に渡りメルセデスからエンジン供給を受けてきたマクラーレンは2009年をもってその協力関係を新たな形へと変更し、一方のメルセデスも昨年末にチャンピオンチームのブラウンGPを買収して今年からメルセデスGPとしてF1に参戦している。それまでメルセデスが保有していた40%のマクラーレン株は、現在その大半をマクラーレン自身が買い戻している。
デニスは、この決定の裏側にはチームを完全に掌握したいというメルセデスの長年の思惑があったと告白。マクラーレンの新型スポーツカーMP4-12Cのイベントでアラビアン・ビジネス誌に対して次のように語っている。
「長年に渡り彼らはマクラーレンを支配したがっていた。だが我々は彼らの管理を受ける気はないと何年も彼らに言い続けてきた。彼らが欲すれば欲するほど、我々は与えたくなかったというわけだ」
「エンジンメーカーがチームを主導することは必ずしも生産的であるとは限らない。私はこの会社で30年あまりを過ごしてきたが、その間に数えられないほどの友人の助けを受け、共に戦ってきた。他の株主同様、メルセデスに対してはマクラーレンを売りに出す気はないということを明白に伝えている」
「メルセデスは望んでいた完全コントロール下のグランプリチームを手に入れた。そして我々は引き続きメルセデスからエンジンの供給を受け、マクラーレンの製品と自身のブランドを広げていくことができる。要するにこれはお互いにとってウイン-ウインの関係と言うことだ。このことを皆が理解して受け入れれば、この一連の動きは論理的なものだったということが分かるだろう」
