バーニー・エクレストンは、シンガポール・ゲートによりルノーF1の元マネージングディレクター、フラビオ・ブリアトーレに下された永久追放という罰は重すぎるとの主張を、殺人犯への刑罰を引き合いに出して語った。
以前、ブリアトーレへの処罰は重すぎると発言して問題になったエクレストンだが、再び同じ趣旨の発言を繰り返している。
「もちろん、彼には罰が下されなければならない」とエクレストンはドイツのアウト・モーター・ウント・シュポルト誌に対してコメントした。
「私が気に入らなかったのは、“生涯”という期間だ。今は人を殺しても終身刑にはならない。50年と言った方がよかったかもしれない。フラビオにとっては生涯に値することになるかもしれないが」
ネルソン・ピケJrは、自分のシートを守りきれないかもしれないとのプレッシャーの下、チームの利益のためにと自らクラッシュし、結局翌年解雇された後、事件を明るみに出した。今年の開幕戦では、世界チャンピオンのルイス・ハミルトンが偽証を行い、後にチームメンバーの指示だったと述べた上で謝罪した。エクレストンは今のドライバーたちにかかるプレッシャーは昔よりも大きいと認めながらも、ここ数年F1で起こっている事件はF1特有のものではなく、どこの世界ででも起こることだと主張した。
「取り決めがなされ、ドライバーはふたりともプレッシャーにさらされていた」とエクレストン。
「そして彼らは言われたとおり行動した。これは昔の時代の事件とは比較できない。昔は勝たなければならないというプレッシャーは今ほどではなかった。勝利を取り返したいと思ったら、単純にコーナーをカットしただろう」
「いかなるスポーツにおいても、人は成功するために限界まで行き、時には限界を超えてしまうこともある。犯人がつかまらず、明るみに出ていない事件はもっとたくさんある。これはF1特有の問題なのではない」
「F1で起こったことは、人の生活のいたるところで起こっているようなことだ。あの事件がF1を傷つけたかって? どうかな。(2007年の)マクラーレンの事件は産業スパイ事件だった。そういう事件は過去にもあった可能性は高いが、誰もそれに気付かなかった。騒ぎになるかどうかにすぎず、騒がれれば注目の的になる」
「FIAには我々のスポーツを取り締まるために対処する義務がある。不公平な競争になってしまうからだ。そして彼らが判断を下さなければならない」