BMWグループ四半期決算連続で黒字を達成。第3四半期の税引前利益は1億2,600万ユーロ。ライトホーファー会長「目標は、今年グループ全体で黒字を達成すること」
05.11.2009プレスリリース
ミュンヘン発:
厳しい経済情勢が続く中、BMWグループは2009年第3四半期で前期に続き連続して黒字を達成しました。「効率性を高め、コストを軽減するために採り入れた様々な対策が、効果を上げつつあります。」BMW AG取締役会会長のノルベルト・ライトホーファーは11月3日(火)にミュンヘンでこのように述べました。この結果、2009年通年での決算においても、黒字を達成する見通しとなりました。「私たちの目標は、今年、グループ全体で黒字を達成することです。」ライトホーファーはこのように続けました。この見通しは、年末までの間に世界経済と自動車市場の情勢が悪化しないことを前提としたものです。
第3四半期の売上高は117億5,900万ユーロ(2008年同期: 125億8,800万ユーロ)で、グループ全体での金利払前税引前利益(EBIT)は5,500万ユーロ(2008年同期: 3億8,700万ユーロ)、税引前利益は1億2,600万ユーロ(2008年同期: 2億7,900万ユーロ)となりました。1~9月の売上高は362億3,900万ユーロ(2008年同期: 404億2,500万ユーロ)に減少し、EBITは1億6,900万ユーロ(2008年同期: 16億3,900万ユーロ)、税引前利益は7,900万ユーロ(2008年同期15億2,200万ユーロ)でした。税引後利益は4,700万ユーロ(2008年同期: 12億9,200万ユーロ)となりました。
7~9月の自動車業界は、主な販売市場で引き続き消費の落ち込みに直面し、激しい販売競争による厳しい事業環境の中で推移しました。BMWグループもこうした状況による影響を避けることはできませんでした。
しかしBMWグループは世界的な金融経済危機に素早く対応し、早い段階で様々な対策を採り入れたことにより、引き続き利益を確保することができました。その結果BMWグループは今年に入ってから、継続的にコスト構造を改善することに成功しました。コストと売上の両面で、効率性強化に向けた対策が急速に実施に移されたことで、厳しい市場の情勢によって受けた影響を補うことができました。
自動車部門は通年のフリー・キャッシュ・フローでプラスの達成が目標
自動車市場と資本市場の安定化と、ドイツ国内での企業年金債務の第2トランシェを信託契
約(CTA)に従って外部積み立てに転換したことで、流動性資金は2009年9月30日の時点で98億9,900万ユーロ(2009年6月30日時点: 118億9,800万ユーロ)に減少しました。BMWグループは年末までにおよそ90億ユーロまで減らすことを目標としています。2009年第3四半期における自動車部門でのフリー・キャッシュ・フローは、年金債務への資金注入と有価証券への投資によって、約19億ユーロ減少しました。これによる影響を調整したフリー・キャッシュ・フローは運転資本が微増した結果、わずかにマイナス(9,900万ユーロ)となりました。1~9月の調整済みフリー・キャッシュ・フローは4億1,700万ユーロのプラスとなりました。この調整値をもとにBMWグループでは通年でのフリー・キャッシュ・フローでプラスを達成することを目標としています。
2009年の販売台数は10~15%減の見込み
2009年9月における伸びをベースに、BMWグループでは残りの四半期で販売台数の増加を見込んでいます。ニューBMW X1と5シリーズ グランツーリスモを10月末に導入し、新規需要を開拓することによりこの流れはさらに強まるものと考えています。通年での販売台数は、前年比10~15%の減少にとどまるものと予測しています。「現時点では、世界の自動車市場の動向を判断する時期には達していません」。ライトホーファーはこのように強調しています。
BMWグループは2010年への展望についても、慎重ながら楽観的な見方をしています。「来年は全体を通して市場が次第に回復してくるものと予測しています」。ライトホーファーはこのように述べています。BMW X1とBMW 5シリーズ グランツーリスモは、その状況に推進力をもたらすモデルとして期待されています。また高い実績を残したモデルの新型が市場に導入される2010~2012年には、こうした流れがさらに加速するものと思われます。BMWグループでは自動車部門において、2012年までに売上高EBIT率8~10%、投下総資本利益率26%の達成を引き続き目標としています。
景気の低迷が自動車部門の収益に影響
第3四半期における販売台数の減少傾向は、前の四半期と比較して落ち着きを見せました。7~9月にかけてのBMW、MINI、ロールス・ロイスの納車台数は全体で7.2%減少して、324,100台(2008年同期: 349,098台)となりました。また販売台数は、BMWブランドで9.2%減の263,864(2008年同期: 290,661台)、MINIブランドは3.4%増の60,104台(2008年同期: 58,105台)、ロールス・ロイスは60.2%減の132台(2008年同期: 332台)でした。
1~9月におけるBMW、MINI、ロールス・ロイスの納車台数は、3ブランド総計で前年比15.7%減の939,554台(2008年同期: 1,113,972台)となりました。同じ時期の販売台数は、BMWブランドで16.2%減の777,455台、MINIブランドは12.6%減の161,638台(2008年同期: 184,915台)、ロールス・ロイスは44.3%減の461台(2008年同期: 827台)となりました。
自動車部門の第3四半期の売上高は、世界的な経済危機と自動車業界での競争激化による販売台数の減少から影響を受けました。自動車部門のEBITは7,600万ユーロの赤字(2008年同期: 1億4,100万ユーロの黒字)、税引前収益では1億5,400万ユーロの赤字(2008年同期: 1,800万ユーロの黒字)を計上しました。また第3四半期での売上高は101億7,800万ユーロ(2008年同期: 111億1,300万ユーロ)、1~9月の売上高は306億1,000万ユーロ(2008年同期: 370億2,900万ユーロ)に減少しました。また自動車部門の1~9月におけるEBITは3億5,800万ユーロの赤字(2008年同期: 11億5,500万ユーロの黒字)、税引前損益は7億8,300万ユーロの赤字(2008年同期: 8億8,200万の黒字)となりました。
モーターサイクル部門は販売台数が減少
モーターサイクル部門の第3四半期における業績も、厳しい世界市場の情勢によって影響を受けました。販売台数は22,741台(2008年同期: 24,818台)で、前年同比で8.4%減少しました。売上高も2億3,900万ユーロ(2008年同期: 2億7,100万ユーロ)まで減少しました。モーターサイクル部門の第3四半期におけるEBITは300万ユーロの赤字(2008年同期: 500万ユーロの赤字)で、税引前損益は500万ユーロの赤字(2008年同期: 700万ユーロの赤字)を計上しました。また1~9月における販売台数は13.7%減の69,715台(2008年同期: 80,750台)でした。売上高は8億6,500万ユーロ(2008年同期: 10億800万ユーロ)、EBITは5,100万ユーロ(2008年同期: 8,700万ユーロ)に減少しましたが、税引前損益は4,500万ユーロの黒字(2008年同期: 8,000万ユーロ)を確保しました。
ファイナンシャル・サービス部門は好調に推移
ファイナンシャル・サービス部門は事業環境が厳しい中にもかかわらず、好調な業績をあげました。第3四半期におけるファイナンシャル・サービス部門の売上高は、38億3,100万ユーロ(2008年同期: 40億8,400万ユーロ)に減少しましたが、税引前損益は9,400万ユーロの黒字(2008年同期: 1,700万ユーロの赤字)へと改善されました。1~9月の売上高は総額で120億5,800万ユーロ(2008年同期: 118億1,800万ユーロ)で、税引前損益は2億4,700万ユーロの黒字(2008年同期: 1億3,100万ユーロの黒字)を計上しました。
ファイナンシャル・サービス部門の貸借対照表上の事業規模は2008年12月31日時点と比較して2.6%縮小し、590億5,500万ユーロとなりました。2009年9月30日時点における、全世界でのリース契約件数は2.8%増の3,053,166件でした。世界的な景気の低迷は、リースおよびファイナンス事業の規模にも悪影響をおよぼしました。1~9月における顧客に対する新規のリースおよびファイナンス総契約件数は全世界で18.3%減少し、752,257件となりました。このうちの28.9%はリース契約件数で、前年同期よりも5.4ポイント減少し、ファイナンス契約件数は新規契約数全体の71.1%を占めました。またファイナンシャル・サービス部門によるファイナンスまたはリース契約で販売された新車は、全体の48.9%を占め、前年よりも0.9ポイント増加しました。
1~9月における、顧客に対する新規のリースおよびファイナンス契約による売上高は183億3,400万ユーロで、前年同期比で18.0%減少しました。
残余価値リスクと与信リスクの状況は、今年の上半期と比べて大きな変化は見られませんでした。これらのリスクに対する引当金を計上することで、マイナスの効果を相殺しています。引当金の積み増しが必要とされる不測の事態は、現在の段階では認識されていません。
従業員の削減
第3四半期でも従業員数の削減が行われました。第3四半期末時点でのBMWグループの全世界における従業員数は98,358人(2008年同期: 103,850人)で、5.3%減少しました。こうした雇用調整は自然減や、退職前のパートタイム雇用契約への同意、従業員の自発的意思による契約期間満了への同意などによって行われました。
しかし、これと同時に、BMWグループでは研究開発部門を中心に数多くの部門で、専門的技術や知識を備えた人材の採用を継続しています。また経済情勢が厳しい中、職業訓練の分野でも社会的責任を果たしていきます。2009年はドイツ国内での1,080人を含む1,118人の実習生を受け入れました。
2009年9月30日時点での四半期決算報告書全文は、BMWウェブサイト(www.bmwgroup.com/ir.)からダウンロードすることができます。
