元CARTチャンプカー王者で、F1にも参戦、2001年の事故で両足を失ったアレックス・ザナルディが8日、ドイツ・ニュルブルクリンクでBMW M3 DTMをドライブした。
2001年にラウジッツリンクで行われたチャンプカーのレース中に事故に遭い、両足切断という瀕死の重傷を負ったザナルディは不屈の精神でリハビリを遂げ、その後はWTCC世界ツーリングカー選手権にBMW320siで参戦。優勝を遂げるなど活躍し、ここ数年はハンドサイクル競技に転向。イタリア代表として出場したロンドン・パラリンピックでは、金銀あわせて3つのメダルを獲得してみせた。
そんなザナルディは、10月21日にホッケンハイムで開催されたDTMドイツツーリングカー選手権の最終戦にゲストとして訪れたが、その際にDTMマシンを見たザナルディは、「マシンをドライブしてみたい」とBMWモータースポーツ代表のイェンス・マルカルトに提案。BMWが快諾し、今回のデモ走行が実現した。
BMW Mブランドの40周年記念イベントの期間中に行われるデモ走行のため、ニュルブルクリンクに現れたザナルディの前に用意されていたのは、パラリンピックの金メダルを祝いゴールドに彩られた特別仕様のBMW M3 DTM。ボンネットにはハンドサイクルを駆りガッツポーズをするザナルディの姿が描かれ、ルーフには3つのメダルが描かれた。
また、両足が義足となっているザナルディのためにコクピット内が改造され、アクセルとブレーキは取り外されブレーキペダルは義足の右足で踏めるよう移設。アクセルはステアリングに取り付けられ左手で操作できるようにされ、シフトチェンジはパドルで行えるよう改良された。
ザナルディはそんな特別仕様のBMW M3 DTMを駆り、ニュルブルクリンクを32周。笑顔でドライブを果たした。
「今日、BMW M3 DTMをドライブできて本当に嬉しいよ。この特別な機会を与えてくれたBMWに感謝したい」とザナルディ。
「この日は本当に特別な1日になった。僕の要求に合わせて、こんなにも早くBMWのエンジニアたちがマシンのモディファイをしてくれたことに本当に驚いた。トラックでは本当に楽しめたよ。金色に輝くマシンを見た時は圧倒されたね」
「僕にはまだレースに対する情熱がある。ただ、今回のデモランがそれ以上のものになるのかはまだ分からないよ。DTMで戦うのはどちらにしても、僕の年齢では厳しすぎるんじゃないかと思うね。今後の僕の焦点は、今日のドライブの後に見出されるだろう」
また、ザナルディのドライブを実現したBMWモータースポーツのイェンス・マルカルトは「我々がアレックスとともに冒険を達成させたことを嬉しく思うよ」とデモランの成功を喜んだ。
「彼はずっとBMWモータースポーツの重要なファミリーの一員であり、我々全員の偉大な人生の手本だ。彼はハンディキャップにも関わらず、大きな楽観主義であらゆる困難に立ち向かい、勝利してきた。BMWと成し遂げたWTCCでの4勝もそうだし、パラリンピックのメダルもそうだ」
「今日我々が目にしたとおり、高い技術を要するDTMマシンのドライブも、アレックス・ザナルディにとってはなんの障害でもないことが証明されたんだ」
