今季、スーパーGTシリーズになって初めて登場するスイス人女性ドライバー、シンディ・アレマンが、初めてのスーパーGTを振り返った。
スーパーGT300クラスにアウディR8 LMSの2台体制で参戦するヒトツヤマ・レーシング。その21号車のドライバーとして起用されたアレマンは、初めての富士スピードウェイのテストから岡山国際サーキットでの公式合同テストを経て、第1戦岡山の舞台に挑んだ。
「初めてスーパーGTのレースの週末を過ごし、初めてレースを経験してみて、チームと協力しながら改善を目指して作業をするのがどんどん面白くなってきているの。ゆっくりと、でも確実に、チームの団結が強くなってきているし、チームは私自身のことも私のドライビングスタイルも理解してくれている。そういう意味でポジティブな週末だったわ。それ以外の部分では難しい週末だったけど。雨が降ったり、晴れたり、雪が降ったり……。すごくプレッシャーが大きかった」とアレマンは週末を振り返る。
今回のレースでは、アレマンはいきなりスタートを担当。スーパーGTの熾烈さを経験することになった。
「今日は最高だったわ。ル・マンの時みたいにスタートを担当したの。レースのスタートはすごく貴重な経験になる。いいスタートを決めて、序盤の数周の間にポジションをひとつ上げて11位に上がった。その後、タイヤの磨耗の問題が出てきたけど、磨耗がひどくならないように一定のリズムでペースを保って走るよう心がけた。1時間走って、11番手の位置でチームメイトと交代したの」と序盤戦についてアレマンは語る。
「その後私たちはもっと順位を上げて9位でフィニッシュできた。スーパーGTでの最初の週末としてはすごくいい結果だと思う。タイヤの問題を抱えてこんなコンディションで走ったんだからなおさらね。次のレースでは弱点の対策をしてトップ6入りしたいわ」
「すべてがうまくいったわ。小さな接触はあったけど、それがレースだもの。GT500のマシンは圧倒的に速いから、追い抜くときにすごくアグレッシブなの。つまり彼らがコース上のルールのようなもの。ル・マンでトラフィックの中で走った時のような感じがしたわ。でも大事なのは、同時にいくつかのことに集中しなければならないってこと。ドライビングや自分にとっての基準点に集中し、速いリズムを保って走り、クラス内のポジションを守り切らなければならないの」
初のスイス人女性ドライバーということもあり、ピットウォークではアレマンの前には長蛇の列ができあがり、サイン攻めにあっていた。アレマンは、日本のファンからとてもいい印象を受けたといい、自分のチームには心から感謝していると語った。
「感動したのは、グランドスタンドがいっぱいだったことね。こんなに大勢の観客の前でレースをしたのはひさしぶりだった。これほどたくさんのファンが集まるなんて、日本でモータースポーツが高い評価を受けているのが分かってすごく嬉しかった」
「それにたくさんのファンが私を応援してくれて、サインを欲しがってくれるの。これからが本当に楽しみよ。それから、ヒトツヤマ・レーシングとZENT、チームメイトのアキ(都筑晶裕)にはすごく感謝している。アキはサポートしてくれるし、チーム全員が助けてくれる。メカニックの人たちもすごく親切にしてくれるの。みんなに心からありがとうって言いたいわ」
