IZODインディカー・シリーズは、レース中のオーバーテイクを促進するために使用されている『プッシュ・トゥ・パス』ボタンについて、次戦ミドオハイオからボタンを押された後、5秒後にシステムが起動する仕組みを導入すると明らかにした。
このプッシュ・トゥ・パスシステムは、ドライバーがボタンを押すとエクストラのターボブーストを得られることができ、前走車に対して追い抜きを容易にするというもの。今季はトロント戦からの5戦で使用が始まっていた。
今回、インディカー・シリーズはドライバーがボタンを押してから5秒後にプッシュ・トゥ・パスが作動するように変更。この変化により、戦略の要素に加え、システムに対する防御を減らすことができるという。
この変更で想定されている使用法としては、ドライバーがコーナリングの手前でプッシュ・トゥ・パスボタンを押し、コーナー立ち上がりでドライバーがアクセルを全開にした時にエクストラブーストが効き、続くコーナーに向けて容易にオーバーテイクを仕掛けることができる……という状況を想定しているようだ。
インディカー・シリーズのエンジン開発ディレクターを務めるトレバー・ノウルズは、この改正により、ドライバーがプッシュ・トゥ・パスを使用することを奨励するだろうと語る。
「ボタンを押して5秒後、ドライバーがアクセルを全開にし始めるか、すでに全開の状態でオーバーテイクが始まるんだ。前を走っているドライバーは防御したければ、前もってボタンを押しておくしかない」
またノウルズは、すでにプッシュ・トゥ・パスが導入されている中で、新たな試みを実施することについては、「一度にたくさんのことを導入したくはなかったんだ」と明かしている。