21日、衆議院本館で行われた記者会見で、渡辺喜美代表率いるみんなの党が、トムスの舘信秀代表取締役会長を来たる参議院議員選挙の比例代表公認候補として内定したと発表した。会見には舘代表と、応援として鈴木亜久里ARTA監督が出席して、出馬への決意を語った。
“マカオの虎”トムス舘代表が新たなる戦いの舞台に国政を選ぶこととなった。「最近の若者はリスクを負うこと、チャレンジすることがとても少なくなってしまった。この調子でいくと日本は衰退していってしまうのではないかと感じた。自分の知識、経験を少しでも活かすことが出来るなら、国政に携わっていきたい」という舘代表の考えが、『現場の経験を国政に活かし、覚悟をもって臨む』というみんなの党の理念と合致。「長いこと悩んだけど、今週頭に出馬を決めた」と政界への出馬の決意を表明した舘代表。
舘代表は、「亡くなった(元外務大臣の)柿沢弘治先生には、アフターパーツの会の名誉会長を務めてもらうなど、いろいろと御世話になった。そこから、(みんなの党政調副会長の)柿沢未途さんとお付き合いが始まりまして」とみんなの党からの出馬の理由を説明。また、柿沢弘治氏が都知事選に出馬した際、記者会見のちょうど後に息子・舘信吾の事故死の報(99年、岡山でJGTCスープラをテスト中にクラッシュ)を聞いたというエピソードを披露。舘代表は「運命的な話。一生忘れることができません」と声を詰まらせる場面も。
みんなの党の渡辺代表は「舘さんが有名だからお願いした訳ではなく、舘さんたちが引っ張ってきた自動車産業が今は大変な状況に置かれている。この状況で、現場の知識を国政に活かすべきであって、ここに舘さんの候補擁立の意味がある」と候補擁立の理由を説明。ガッチリと握手を交わした。
また、応援に駆けつけた鈴木亜久里ARTA監督は「自分はトムスができてすぐの頃にアルバイトをして、ずっと舘さんの後ろをついてきた。そんな舘さんがモータースポーツの代表として参議院選に出ると言うことで、モータースポーツ界を代表して来ました。舘さんは本当に面倒見が良くて、親分肌の頼れる先輩。僕たちも最大限の応援をしたい」とエールを送っている。
舘代表は、「現在の日本ではなかなか技術者が育たない状況になってしまっている。技術者の支援も国政からバックアップしたい。それに、現在は電気自動車レースの協会の理事長も務めているんだけど、電気自動車なら公道レースも実現できるかもしれない」と国政からモータースポーツ界、自動車業界を元気にしたいと意気込みを語る。
参議院選で舘代表が当選、“舘信秀議員”が誕生した場合は、トムスの会長職は続けつつも、残念ながらフォーミュラ・ニッポンの監督は辞めるとのこと。世界的に見ると、モータースポーツ界から政界に転身した政治家と言えば、カルロス・ロイテマンやアリ・バタネンなどが挙げられるが、キャッチフレーズは“Start Your Engines!”と言う舘代表の国政進出は為るだろうか!? 注目したいところだ。