FIAが2015年F1に導入するバーチャル・セーフティカー(VSC)システムの手順を正式に発表した。
昨年日本GPでジュール・ビアンキが大クラッシュを喫して重傷を負ったことを受け、FIAは安全性のさらなる向上を目指し、事故の際により確実にマシンの速度を落とさせるためVSCシステムの提案を行った。
2014年終盤3戦のプラクティス中にVSCシステムのテストが行われ、その後正式に導入が決定した。
FIAが8日に発表したF1スポーティングレギュレーションにこのシステムの手順が記載されている。
第41条に、VSCは「コース上のいずれかのセクションで、ダブルイエローフラッグが振られる必要があり、競技者あるいはオフィシャルが危険にさらされる可能性があるものの、実際のセーフティカーを使用しなければならない状況ではない場合に使用される」と記されている。
VSCの宣言がなされると、コース上のマーシャルライトパネルに「VSC」と表示される。
VSC適用中は、ドライバーたちはタイヤ交換以外の目的でピットに入ることは許されず、すべてのマシンがスピードを落とさなければならない。各マーシャリングセクター(各FIAライトパネルの間のセクション)で最低一度はFIAが定めた最少タイムを上まわらなければならない。スチュワードはこのスピード制限を守らなかったドライバーにペナルティを科すことができる。
また一部の例外を除き、VSC時はコース上でオーバーテイクをしてはならない。
安全が確認されると「VSC ENDING」のメッセージが表示され、10~15秒の間にライトパネルの「VSC」の表示がグリーンに変わる。ドライバーたちはグリーンに変わってすぐにレースを続行することができる。
また、VSC状態で走ったラップもレース周回数にカウントされることも明記されている。