ピレリ、2013年モータースポーツシーズンをミラノで発表
2013年 Formula OneとSuper bike用タイヤの革新
シングルシーターとSuperbike用新型17インチタイヤの新しいコンパウンド目的は、性能の向上、Formula OneとSuperbikeレースのエンターテインメント性の向上
ピレリは、40ヶ国以上で開催される250を超えるモータースポーツ競技にタイヤを供給
ピレリは2013年、ASTON MARTIN, AUDI, BMW, DUCATI, FERRARI, HONDA, LAMBORGHINI, MASERATI, MCLAREN, MERCEDES, PORSCHEなどの最もプレステージャスな乗用車と二輪メーカーへ、720,000 本のタイヤを供給
ピレリは、ブラジルでストックカーレースへ復帰し、新しいGT選手権でビスポークタイヤを供給
2013年1月23日、ミラノ
ピレリは2013年モータースポーツシーズンを開始し、3年目を迎えるFormula Oneタイヤの最新の進化と、市販車をベースとした最高峰のカテゴリーであるSuper bike用の新型17インチタイヤを発表しました。また、ピレリがタイヤを供給する250以上のチャンピオンシップ用の2013年型モデルを発表しました。これらのチャンピオンシップの半数以下がピレリの単独供給であり、アメリカから極東まで40ヶ国以上で開催されます。
ピレリの2013年グローバルモータースポーツ活動は、ミラノの歴史的なビコッカ地区に位置するピレリ本社で行われました。今回ピレリは、研究開発のラボラトリーをインターナショナルメディアに公開しました。このラボラトリーは、PZero,Cincurato,Scorpion,Diabloなどの競技用タイヤが設計、製造されたところであり、世界で最も先進的なロボット化されたタイヤ製造ラインであるNext MIRSファシリティーが生まれた場所でもあります。
ピレリのモータースポーツプログラムと戦略は、社長兼CEOのマルコ・トロンケッティ・プロヴェーラ、モータースポーツダイレクター(4輪)のポール・ヘンベリー、モータースポーツダイレクター(2輪)のジョルジオ・バルビエールによるインターナショナル・プレスコンファレンスの場で発表されました。
新しいシーズン、Formula OneとSuper bike用の新型タイヤ
例年通り、ピレリは2013年シーズンに参画する全てのモータースポーツカテゴリーに革新的な新型タイヤを供給します。これらのタイヤは、モータースポーツの参加チームと統治機構にしたがって開発されました。鍵となるイノベーションは、4輪と2輪のトップに位置する国際的なチャンピオンシップの周辺に集中しています。
FormulaOne
今シーズン用のFormula Oneタイヤの全レンジには、全面的に革新がもたらされます。P ZeroスリックタイヤとCinturatoウェットタイヤは、新しいタイヤ構造とよりソフトなコンパウンドになります。目的は、熱によるデグラデーションを増大させ、各グランプリにおいて少なくとも2回のピットストップを確実にし、オーバーテイクの機会を増やし、より良いショーの演出に貢献するためです。全スリックタイヤは性能が向上しており、ラップタイムが0.5秒ほど速くなります。各レースにおける戦略幅とスピード差を拡大させるため、異なるコンパウンド間の性能差は、少なくとも0.5秒以上になります。
今年、さらに作動領域を広げたPZeroハードコンパウンドの最も大きな変更は、サイドウォールのマークがオレンジになったことです。
Super bike
Super bikeにおけるピレリの絶え間ない精進とイノベーションは、2004年から始まり、今シーズンで10周年を迎えます。これは、モータースポーツ史における最長の単独タイヤサプライヤー契約となります。昨年、ピレリは、Super bike用に26の製品を開発し、サーキットへ供給しました。
2013年、ピレリが果たしたSuper bikeへの最も大きなイノベーションは、16.5インチから17インチへのタイヤサイズの移行です。これは、各バイクの全体的な性能に大きな影響を及ぼします。新型タイヤは、昨年の7月、スペインのアラゴン・サーキットでのテストで、各ライダーによって初めてテストされました。このテスト期間中、ラップタイムが1.5秒短縮されました。
プロトタイプカーからシングルシーターまで、全メジャーチームとパートナーシップを締結
ピレリのモータースポーツへの参画は、Formula OneとSuper bikeにとどまりません。2013年シーズンを通して、ピレリは、サーキットと公道の両方で、世界中の様々なチャンピオンシップに登場します。合計すると、ピレリは、(Formula OneとSuper bikeの他に)250の異なるモータースポーツシリーズに関わり、毎年200種類以上のタイヤの設計と製造が求められています。ピレリは今年、モータースポーツ活動において約720,000本のタイヤを供給します。このことは、国内的にも国際的にも、最も積極的にモータースポーツに参画しているタイヤメーカーとしてのピレリの姿勢を強調しています。
毎週末、およそ100のチームがピレリタイヤで競い合っています。チームは、AstonMartin,Audi,BMW,Ducati,Ferrari,Honda,Lamborghini,Maserati,McLaren,Mercedes,Porscheなどのトップチームからプライベートチームまで多岐に渡り、数千人のドライバーとライダーがしのぎを削っています。これらのチームの多くは、特別な開発プログラムを通じてピレリによってサポートされています。まさにFormula OneとSuper bikeのように、全てのチームとドライバーは、ピレリのエンジニアと技術者によってサポートされています。約100名の専属スタッフが、毎週末、サーキットからサーキットへ移動し、チームへベストなサポートを提供し、ミラノにあるピレリの研究開発本部のためにできるだけ多くのデータを収集しています。ピレリのFormula Oneチームは52名で構成され、さらにGP2とGP3のために11名がアサインされています。Super bikeは、30名のピレリスタッフがサポートしています。
全カテゴリー用のビスポークタイヤ
4輪に関して、ピレリはシングルシーター(F1,GP2,GP3など)と市販車をベースとしたGTやラリー(ヒストリックラリーを含む)用のレーシングカーの両方へタイヤを供給しています。また、ピレリは、世界中で数多くのプレステージャスなワンメイク選手権へタイヤ供給しています。FerrariChallenge,LamborghiniSuperTrofeo,MaseratiTrofeoなどです。今年、ピレリは、南米で最も有名なチャンピオンシップであるストックカー・ブラジルへ参画します。また、来年には北米の最高峰のチャンピオンシップにも参画予定です。
2輪のレースでは、Super bikeと関連する全てのクラスにタイヤを供給しています。その他の鍵となるチャンピオンシップは、世界モトクロス選手権と世界耐久選手権です。
これらの各シリーズ用に、ピレリは技術的なレギュレーションに対応した革新的なソリューションを提供するビスポークタイヤを毎シーズン開発しています。
GP2–GP3
Formula OneとSuper bikeの他に、ピレリは世界中で250(112が2輪、138が4輪のチャンピオンシップ)のレースに参画しています。Formula OneのフィーダーシリーズであるGP2とGP3にもタイヤを供給しています。GP2の新型タイヤレンジは、昨年導入された変更に対応したものです。2012年、Formula One同様、レースあたり2コンパウンドの使用が初めて行われ、今年、事実上全レンジが、よりソフトで速いタイヤに再設計されました。特に若手のドライバーたちが、全く新しいミディアム、ソフト、スーパーソフトを使用することになります。
GP3における最も大きなイノベーションは、280馬力から450馬力となったマシンです。この大きなパワーの拡大に対応するため、ピレリは全く新しい製品を製造しました。
BRAZILIANSTOCKCAR
今年ピレリは、ブラジルにおけるトップレベルのモータースポーツへ見事に復帰しました。5年間の空白後、ピレリは、再びブラジルで最も人気の高いモータースポーツシリーズであるストックカー・ブラジルの単独タイヤサプライヤーを務めます。ストックカー用のタイヤは、トルコのイズミットにあるピレリの最先端モータースポーツタイヤ工場で、Formula One用の設備と製造工程を活用して製造されます。
GT SERIES
今シーズン、新しいGTカテゴリーが加わります。それはGT Sprintシリーズで、ブランパン耐久シリーズと並行して行われます。このチャンピオンシップは、AstonMartin,Audi,BMW,Corvette,Jaguar,McLaren,Porscheなどのプレステージャスなスポーツカー用にデザインされたものです。これらのウルトラ・ハイパフォーマンスカーは、ピレリが得意とする領域で、モータースポーツから学んだテクノロジーが反映されています。
LAMBORGHINI SUPER TROFEO
Lamborghini Super Trofeoにも重要なイノベーションがもたらされます。このシリーズは、開始当初からピレリがタイヤサプライヤーを務める主要なワンメイクチャンピオンシップのひとつです。ヨーロッパとアジアのチャンピオンシップに加え、ピレリは今年、6つのアメリカのレースにタイヤ供給を行います。
SUPERSTOCK
2輪では、Super bikeやSupersportクラスに加え、ピレリはSuperstock1000とイギリスのSuperstock600へタイヤ供給します。また、Ducati 848ChallengeとTriumph Challengeのタイヤサプライヤーも務めます。
8か所の研究開発センターと3か所のモータースポーツファクトリー
現場のスタッフに加え、ピレリのモータースポーツ活動は1000名のチームによってサポートされています。チームを構成するのは、ミラノにあるピレリの研究開発本部と、ドイツ、ブラジル、トルコ、中国の研究開発センターに所属する化学者、物理学者、エンジニアたちです。
ミラノは400名のエンジニアの拠点であり、この中の150名はFormula One専属のエンジニアです。ここには、最先端の技術を使用してコンパウンドとタイヤ構造のテストを行う物理学と化学のラボラトリーが設置されています。数学モデルによって、あらゆる使用状況下における結合された各コンパウンドと各タイヤ構造の反応をシミュレートします。
4輪レース用タイヤのコンパウンドは、トリノのセッティモ・トリネーゼとルーマニアのスラティナで製造され、トルコのイズミット工場でタイヤとして完成されます。2007年以降、イズミットはピレリのモータースポーツ専用のファシリティーとなっています。
2輪ロードレース用タイヤはドイツのブロイベルグで製造され、2輪オフロードレース用タイヤはブラジルのグラヴァタイで製造されます。
レースから公道へ一貫したテクノロジーの移行を確実にするために、全てのモータースポーツの研究者、ラボラトリー、製造工程は、市販の乗用車と2輪車の製造ラインと協力して作業を進めます。ピレリの乗用車用タイヤに取り入れられた数多くの業界標準は、その起源をモータースポーツに持っています。ロープロファイルタイヤやラリー用に開発されたインターナルベルトは、それらの一例です。
