ARTA Project
レースレポート
第4戦 SUGO 決勝レポート(GT500)
波乱のレースで3年ぶりの優勝!
昨晩、待っていた新型のリアウイングがようやく届き、今朝のセッションは、それを装着しての走行となった。そのウィングの効果なのか、ARTA HSV-010はさらにハンドリングが向上してトップタイムで午前のセッションを終える事が出来た。ただ少しオーバーステアの症状が出てきていたので、決勝までに微調整をしてスタートをむかえることになった。
スタートドライバーはラルフ・ファーマン。スタートポジションの6番手をキープしたまま周回を重ねた。ペースは非常に良く6周目にはひとつポジションを上げた。このまま順位を上げられるようなペースだったが、14周目を過ぎたあたりから急にペースが落ちてポジションを2つ落としてしまう。タイヤカスを拾ってしまったようだ。
その後はペースを取り戻し、トップクラスのラップタイムで周回を重ねた。松浦孝亮に代わる39周目までに上位陣のピットインもあり、4番手までポジションを上げていた。松浦は12番手でコースに復帰し、48周目には7番手までポジションを回復。気温も下がってきてラップタイムも上がってきたが、60周目を過ぎたあたりから雨が降り始めてきた。
ペースは一気に5秒前後落ちたが、松浦は冷静にマシンをコントロールした。63周目にはポジションを6番手まで上げ走行を重ねていたが、70周に近づいてきたところで上位陣が接触して脱落。松浦はここで3番手までポジションを上げる事に成功した。松浦はさらに攻めつづけ、前車を抜くと73周目にはトップに立ち、落ち着いたドライビングでARTA HSV-010を優勝に導いた。ARTA HSV-010にとっては、2010年の鈴鹿大会以来の優勝だ。
さらに300クラスではARTA CR-Z GTも優勝したが、最終ラップで8号車と55号車が同じ位置を走っていたので、後続との差を確認しながら2台一緒にチェッカー。ARTAとしては創設以来の初めてのダブルウインという記念すべきレースとなった。
鈴木亜久里監督のコメント
「ドライバーが良く頑張ってくれたね。コンディションがこれだけ荒れたレースでマシンをコントロールして、優勝まで導いてくれたので、彼らに感謝したいね。しかも300クラスと合わせてダブルウインはARTA始まって以来だからね。凄く嬉しい。でも次のレースも気を引き締めて結果にこだわりたいね」
佐藤真治エンジニアのコメント
「セカンドスティントで天候が悪化してきましたが、孝亮が頑張ってくれたので、孝亮のおかげで勝てたレースだと思っています。ピットではウェットタイヤの準備も出来ている事を無線で伝えていたのですが、孝亮から絶対にステイアウトすると言ってくれたので、こちらは安心して見ていられました。300と一緒に勝つことが出来たので、今日は本当に最高のレースが出来たと思います」
ラルフ・ファーマン選手のコメント
「序盤、タイヤカスを拾ってしまってペースを落としてしまいましたが、マシンのバランスは非常に良かったので、落ち着いてレースを戦いました。チームはとても素晴らしいマシンを用意してくれましたし、孝亮も素晴らしい走行でした。雨が降ってきて難しいコンディションの中、安定したペースで素晴らしいドライビングだったと思います。ホンダ、オートバックス、ブリヂストン、チームスタッフ、そして応援して下さった方々に感謝したいです。アリガトウゴザイマス。まだレースは続くので、次回の鈴鹿も良い結果を残せるようにガンバリマス!」
松浦孝亮選手のコメント
「今週末はマシンの仕上がりは非常に良かったです。ラルフは序盤タイヤカスを拾ってしまい苦戦していましたが、ペースは非常に良かったと思います。ボクに代わってコースに復帰した時は前車との差が開いてしまいましたが、終盤雨が降った時にボク達が選んだタイヤがコンディションに合っていて、周りのマシンと格の違うスピードで前車を追っていく事が出来ました。トップに立ってからはあまりペースを上げすぎないようにしていたら、逆にタイヤを冷やしてしまってコントロールが難しくなった場面もありました。しかし、ARTAが300と500同時に勝つ事が出来ましたし、500はここ数年不調だったのですが、オートバックスさん、ホンダさん、ブリヂストンさん、協力企業様、そして亜久里さんや土屋さんにこのようなチャンスを頂いてここにいられた事に感謝したいです。ありがとうございました」