インフィニオン・スピードウェイで開催されているIZODインディカー・シリーズ第13戦。28日に行われた決勝レースは、ウィル・パワーがレースを支配。今季5勝目を飾った。2位にはエリオ・カストロネベス、3位にライアン・ブリスコとペンスキーが1-2-3フィニッシュを果たした。佐藤琢磨(KVレーシング/ロータス)は、18位で終った。
ポールポジションからスタートしたパワーに隙は一切なかった。75周のレースで彼がトップの座を明け渡したのは、2回のピットストップを行った際の4周だけ。予選3番手だったチームメイトのライアン・ブリスコが、フルタンクの燃料でパワーより長く走ったことで、その4周の間だけトップを走っただけだった。
予選はチーム・ペンスキーの1-2-3で、ポイントリーダーのダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)は予選4番手。彼は決勝レースではパワーと優勝争いを行うつもりでいたが、予選時に突きつけられた差を決勝レースで縮めるかことはできず、ペンスキー・トリオの一角を切り崩せない完敗を喫した。
75周のレースでフルコースコーションが1度しか出なかったこともペンスキー勢にはプラスに働いた。2列でのりスタートは1回しか行われなかった。その1回だけのリスタートでも、ブリスコーは見事に責任を果たした。4番手で横に並んでいたフランキッティに先行を許さなかったのだ。
トップを走るパワーは、エリオ・カストロネベスが2位、ブリスコーが3位を走り続けてくれたため、チームメイトふたりによってポジションを守られていた。彼が唯一心配したのは、隣りからスタートしたカストロネベスがロングビーチでのように考えられないようなミスをしでかすことだったが、その心配は杞憂に終わった。
チーム・ペンスキーによる1-2-3フィニッシュは、1994年のナザレスでポール・トレイシーが優勝し、アル・アンサーJr.が2位、エマーソン・フィッティパルディが3位でフィニッシュした時以来である。ロードコースでの1-2-3は、同じく1994年のミドオハイオ以来である。そのレースではアンサーJr.が勝ち、トレイシーが2位、フィッティパルディが3位だった。パワー、カストロネベス、ブリスコーというメンバーによる1-2-3フィニッシュは、今回が初めてだ。
「チーム・ペンスキーが素晴らしいパフォーマンスを発揮してく、完璧な週末となった。レース終盤のフルコースコーションも良かった。ちょうど目の前に周回遅れが現れていたタイミングだったので、彼らを抜きながらの戦いとなればトラブルに巻き込まれる可能性もあった。それが、ペースカー・ランとなって目の前に1台もいない状況に変わたので、クリーンにゴールまで走り切ることができた」とパワーは喜んでいた。
パワーは今日のレースで53点をマーク(ポールポジションの1点、最多リードラップの2点も獲得)。フランキッティとの差は47点から26点まで縮まった。まだシーズンは4戦残っている。「ついに逆転タイトルを狙えるポイント差に戻すことができた。しかも、残る4レースのうちで2レースが初開催。僕は新しいコースが得意なので、それをアドバンテージにできるという期待ができる」とパワーは話し、目を輝かせていた。新コースふたつとは、次戦のボルティモア(ストリート)と、次々戦のインディ・ジャパン(常設ロードコース)だ。
来週末のボルティモアのレースから、フランキッティにも大きなプレッシャーはかかることとなるだろう。この2戦続けてポイント差を縮めているパワーに勢いが傾いているからだ。
佐藤琢磨は、予選順位の16番手よりふたつ悪い18位でのゴールとなった。今回はチームの作戦が完全に外れてしまっていた。スタートで15位にポジションを上げた琢磨だったが、チームはピットストップを3回行う作戦を早々と決断。11周で彼をピットへと呼び入れた。しかし、コースに戻るや、エド・カーペンター(サラ・フィッシャー・レーシング)を抜けずにいるチームメイトのトニー・カナーンの背後に完全にスタック。決定的に大きなタイムロスをここで喫してしまった。2回目のピットストップで、予選で使用したレッドタイヤを装着し、走る周回数が少なくなるはずの最終スティントで新品のレッドを履かせるという作戦も首を傾げたくなるものだった。
琢磨は、「2ストップか3ストップかチームは作戦に柔軟性を持たせ、早くにレッドにスイッチしたトニーが速かったので、自分たちも3ストップで行くことにしました。しかし、そのトニーにひっかかって貴重な20秒以上をロスしてしまったんです。今日はレース展開も一切味方してくれませんでしたね」と話していた。
