アブダビGPで幕を閉じた2015年のF1世界選手権。最終戦はシーズンの締めくくりであると同時に、2016年へ向けたスタートラインとも言える。

 最終戦の2日後にヤス・マリーナ・サーキットで行われたタイヤテストでは、チームは新しいパーツを試すことができない。そのため、アブダビGPの週末は2016年のニューマシン用に開発しているパーツを実走テストで試すことができる最後のチャンスだった。

 アブダビGPのフリー走行では多くのチームが、さまざまなテスト項目を用意。すでに2連覇を達成していたメルセデスは新しいパーツではなく、ピトー管を装着していた。車速を計測するピトー管は通常コクピットの前方に立てられる。このエリアはエアロダイナミクスに、あまり影響を与えない場所だからだ。

 ところが、メルセデスがピトー管を設置していたのは空力感度が最も高いと思われる先端部。しかもノーズ前方、フロントウイング上という通常センサーを設置しない場所だった(写真:赤の矢印)。このエリアはノーズ下からフロアへと空気を流す重要な部分にもかかわらず、ここにピトー管を設置したのは流速を正確に測定したかったのだろう。メルセデスは、このセンサーをフリー走行1回目でニコ・ロズベルグ車に搭載、2回目はルイス・ハミルトン車でテストしていた。

「通常のピトー管で車速を計測できるが、我々は地面に近いエリアの車速を、より正確に計測したかったんだ」と、あるメルセデスのエンジニアは語る。

 2016年シーズン、メルセデスがノーズ形状を変更する可能性は高いのではないか。次にF1マシンがサーキットを走行するのは2016年2月、スペイン・バルセロナの合同テストを待たなくてはならない。

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