レッドブル・レーシングはドイツGPでのタイヤ脱落事故が起きた状況を説明、今後の対策について明らかにした。
ドイツGP決勝中、ピットストップを行ったマーク・ウエーバーのマシンから右リヤタイヤが脱落し、ピットにいたFOMのカメラマン、ポール・アレン氏にヒット、彼は骨折などの怪我を負った。幸いアレン氏は全快する見込みであるということだ。
この事故を受け、FIAは安全性向上のために規則を変更することを発表、今後、マーシャルおよびチーム関係者以外は、決勝および予選セッションの間にはピットレーンに立ち入ることは禁じられ、許可を受けたメディアが入れるのはピットウォールに限定されることになった。
また、2014年に向けて決定していた規則の導入を早め、ピットストップにかかわるスタッフにヘルメットの装着を義務付け、ピットレーンの速度制限をさらに下げることもFIAは決めている。
さらに、F1の商業面を管理するフォーミュラワン・マネジメント(FOM)は、今後は全セッションでカメラクルーらがピットレーンに立ち入ることを禁止することを明らかにした。
11日、レッドブルは事故の調査結果をFIAおよび他チームに対して明らかにした。
このレポートによると、右リヤタイヤ担当のガンマンの親指が誤って滑り“ゴー・シグナル”ボタンが押され、それによってタイヤが装着されないままマシンが発進したということだ。
右リヤホイールのナットがきちんと入らないままねじこまれてしまったため、ガンマンはナットを外して別のものを付け直すことにした。
しかしガンを“取り外しモード”にした後、トルクレベルが過去に経験がないほど高い状態であったため、ガンが手の中で滑ってしまった。
その際に、ガンマンの親指が、ホイールが装着されたことをジャッキマンに知らせる“ゴー・シグナル”ボタンを誤って押してしまい、ホイールが装着されないままにマシンが発進した。
レッドブルは、同様のトラブルが再発することを防ぐため、ホイールガンがガンマンの手の中で滑っても、親指が“ゴー・シグナル”ボタンに触らないように、ホイールガンのデザインを変更することを決めた。
また、ピットコントローラーに対しては、今後すべてのガンマンたちからホイールが装着されたというはっきりした合図を受け取るまでは、マシンを発進させないよう指示された。
レッドブルはさらに、トリガーが引かれている際、あるいはガンが“取り外しモード”になっている際には、“ゴー・シグナル”ボタンが作動しないようにする方法も、現在調査中であるということだ。