今季F1にデビューする新人ドライバーは3人。ロシア出身のダニール・クビアト(トロロッソ)、スウェーデン出身のマーカス・エリクソン(ケータハム)、デンマーク出身のケビン・マグヌッセン(マクラーレン)だ。いずれの国々も、F1ではあまり馴染みのない国だ、というところにも、新鮮味を感じる。見た目はちょっと怖い(失礼!)かもしれないが、大物感を漂わせるという意味では、それも魅力のひとつと言えるかもしれない。

 それでは3人の新人を、順に紹介していこう。

 トロロッソのクビアトは昨年のGP3チャンピオン。ロシア出身のまだ19歳のドライバー。GP2を飛び越してのF1参戦だが、同様の経緯でF1にデビュー、成功したキミ・ライコネンやフェリペ・マッサら先人同様の適応力を、レッドブルグループの総帥であるディートリッヒ・マテシッツは期待しているという。すでに昨年のアメリカGPとブラジルGPの2戦でフリー走行出走を経験。特にブラジルGPのFP1では今季のチームメイトとなるジャン-エリック・ベルニュよりコンマ5秒速く周回しており、才能の片鱗を見せている。今季は地元ロシアでのF1初開催(ソチ・オリンピックパーク・サーキット)も控えており、注目の存在である。

 ケータハムのエリクソンは我らが小林可夢偉のチームメイトとなる23歳。スウェーデン出身のF1ドライバー……実に久々の登場だ。あの、ステファン・ヨハンソン(1980~1991年にかけてマクラーレンやフェラーリでF1参戦。優勝こそなかったものの、2位4回というドライバー。ホンダ第2期最初のドライバーだ!)以来、実に23年ぶりということになる。エリクソンは日本との関係も深く、2009年には全日本F3にトムスから参戦し、チャンピオンに輝いたという実力の持ち主。また、昨年まではGP2に4年にわたって挑戦し、2勝を挙げている。今季の目標は、まずはチームメイトの可夢偉に勝つこと、となるだろう。

 そして、今年の新人の中でも最大の注目株が、マクラーレンからデビューを果たすマグヌッセンだ。彼は昨年ワールドシリーズbyルノー3.5のチャンピオンに輝いた、21歳のドライバー。2009年からマクラーレンのヤングドライバープログラムに参加しており、満を持してのデビューとなる。

 マグヌッセンの父親は、1995、1997~1998年にF1に参戦していたヤン・マグヌッセン。共にマクラーレンからのデビューというところも共通している。父はイギリスF3でアイルトン・セナの持っていた年間最多勝記録を更新するなど、大活躍。大きな期待を背にしてのF1デビューだったが、24レース走って入賞したのは、スチュワート(現レッドブル)時代の1998年カナダGPのみ。期待外れの結果に終わってしまった(ちなみにヤン・マグヌッセンは今も現役。昨年もル・マンに出走するなどした)。

 では、息子ケビンはどうか? 父と同じく期待外れの結果に終わってしまうのだろうか? それとも、同じくマクラーレンからデビューし、初年度から大暴れしたルイス・ハミルトン同様の活躍ができるのだろうか? ここが今季の最大の注目ポイントではあるが、それはシーズンが実際に始まってみなければなんとも言えない。ただ、なぜマグヌッセンがセルジオ・ペレス(今季よりフォースインディアに移籍)を追いやってマクラーレンのシートを得たのかと言えば、シミュレーターで驚速だったから、ということらしい。チームはマグヌッセンの才能を認め、すでに新人扱いしていないとの話も聞こえてきており、ひょっとするとシーズン序盤から上位を争う可能性もある。

 マグヌッセンは、オフテストで3番目に多い走行距離となる2471kmを走破しており、経験の少ない新人にとって好材料となるのは間違いない。しかも、チームメイトは2009年のF1チャンピオンであり、タイヤ管理などの上手さに定評のあるジェンソン・バトン。良いお手本と言える。その能力を吸収して、さらに成長していくことだろう。

 問題はマグヌッセンが今季駆るマクラーレンのマシンMP4-29の性能だ。チームは “速さ不足”を示唆しているが、ロングラン走行時のタイム推移などを見ると、ポテンシャルの高さを垣間見せるかのような部分もある。開幕戦には新パーツも多数投入されると言われており、それがさらなるポテンシャルアップに繋がるか? もしそれが実現すれば、オーストラリアGPは、マグヌッセン栄光の歴史の第一歩となるかもしれない。

 今週末の開幕戦、新人3人の活躍にもご注目いただきたい。

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