IZODインディカー・シリーズは第14戦を迎え、シカゴランドでのオーバル戦を迎えた。佐藤琢磨(ロータス/KVレーシング)にとっては、ひさびさのオーバルとなる。

IZODインディカー・シリーズ
第14戦シカゴランド
プラクティス:19番手

 太平洋岸のカリフォルニア州ソノマで今シーズン最後のロードレースを終えたIZODインディカー・シリーズは、五大湖のひとつであるミシガン湖の西側湖畔のイリノイ州シカゴ郊外へとやって来た。

 2010年シーズンも残すところ4レース。そのすべてがオーバル・コースでの高速バトルとなる。快晴に恵まれたシカゴランド・スピードウェイで朝9時15分に始まったプラクティス、カーナンバー5をつけるロータス/KVレーシング・テクノロジーを駆る佐藤琢磨は精力的に44周を走行。38周目に自己ベストとなる25秒5017=平均時速214.574マイルをマークした。

 トップはライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)の25秒1154。昨年度ウィナーとの間にはコンマ38秒ほどの差があるが、プラクティスでのラップタイムはドラフティングをどれだけ活用したかが大きく関わって来ることと、レース用セッティングと予選用セッティングでもタイムは違って来る。タイム比較によって単純に実力を測ることはできない。

 プラクティスを終えてマシンを降りた琢磨はエンジニアとのピットでのミーティングも手短に終え、その表情は明るかった。今年5回目、そして彼のキャリアにとっても5戦となるオーバル・レースの週末を、琢磨は順調にスタートさせることができたようだ。

Q:久しぶりのオーバル走行はどうでした?
琢磨:縦方向のG、忘れてた(笑)。こんなに凄かったっけ? って思った。

Q:アイオワでのオーバルから2ヶ月と少し経ってますからね。
琢磨:そのぐらいになるんですね。なんというか、ここはテキサスやアイオワと比べるとバンクの角度も多少寝てるし、R(コーナー半径)も大きいんで、そのふたつと比べるとたぶんGフォースは格段に低いんですよね。Gはカンザスよりちょっと大きいぐらいでしょう。だけど、久しぶりだったんでヘルメットが下に埋まっちゃうというか、前を見るのが最初は疲れましたね。でも、それにもすぐに慣れたし、スピードにもすぐ慣れた。ここは比較的バンクとしては難易度が低いということで、意外とソロ(単独)で走っている時は3周目ぐらいからすぐにスピードを上げることができました。大事なのはトラフィックの中での走りですけど、大きなトラフィックで走れるのは多分、予選後のウォームアップだと思うので、今回それは最小限にとどめました。

Q:第4戦で走ったカンザスの1.5マイルのコースに似てますか?
琢磨:うん、それはありますね。まぁ、テキサスとアイオワがものすごくユニークなコースだった。もちろんインディアナポリスもそうでしたね。だから、それらに比べるとここはカンザスに近いですよね。でも、カンザスよりもっともっとシカゴランドの方がベーシックなオーバルって印象ですね。例えば、バックストレートなんかもここはずーっとRがついて曲がっているんですけど、カンザスだと一度真っ直ぐなストレートになるんですよね。そういうストレートの部分が無いから、このコースはすごく緩やかに回って行く感じなんです。コーナーも急なところがひとつもないし、バンクが助けてくれるし、ハッキリ言ってレースはものすごい集団になるんじゃないかなって思いますね。

Q:シカゴランドといえばクロース・フィニッシュ(僅差のゴール)のメッカですからね。
琢磨:そういうレースになりそうですね。

Q:カンザスは初のオーバルでした。今回は5戦目。感じ方もまったく違うのでは?
琢磨:違いますね。なんか1シーズンやって来た感じだった。でも、やっぱり最初にトラフィックを走る時には少しドキドキした。カンザスの時もどうしたらわからないってことはなかったけど、あの時のように、どういう風になっているのかがわからないってことはないですね。ふたつみっつ先のトラフィック見ながら、あぁ、ここからはこういう風になってくんだろうなってのが見えて来てる。

Q:カンザスでのマシン作りはロードレース出身者向けで、ステアリングを切って行くフィーリングがあるものにしていたという話でしたが、今回はやっぱり違えてますか?
琢磨:今回はクルマ作りとしては、純粋にオーバルのセットアップからスタートしてるんで、自分でステアリングを切って行くっていうのも最小限だし。とはいっても、チームメイトの2台と比べると、まだまだ僕のはレースを見据えたクルマ作りにはなってます。

Q:プラクティスが朝、予選は昼間で、ウォームアップは夕方。そして、明日のレースは夜です。毎回コースのコンディション、かなり違いそうですよね?
琢磨:だいぶ違うでしょうね。やっぱり路面温度と気温が変わって来れば空気の重さも変わって来て、ダウンフォースが違って来ますよね。そういうところ、オーバルって凄い微妙で、デリケートですからね。その辺りはもうエンジニアに任せるしかないですよね。もちろん、クルマから感じ取れることはできる限りフィードバックしますけど。

Q:今週末のスタートはいい感じで切れたみたいですね?
琢磨:うん、まったく大きな問題もなく、いい感じで始められたと思います。

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