昨日の予選1日目ポールデイの午前中のプラクティスでクラッシュし、そのまま病院に搬送された佐藤琢磨。幸い、体には大きなダメージもなく、一夜明けて予選2日目のバンプデイの走行を許された。チームはマシンを必死に修復してバンプデイ朝のプラクティスに間に合わせ、正午から6時間に渡って行われる残り9つのグリッドを争う予選に臨んだ。

●5月23日 インディ500 バンプデイ
 31番グリッド獲得
「とにかく、チームがすばらしい仕事をしてくれました。今、こうしてグリッドを獲得できたことをファンタスティックと感じてます」

この日のインディアナポリスは夏のような気温になり、タイムを出すためには日中の走行は不利。気温が低くなる夕方以後にタイムアタックが集中することが予想され、そのとおりに駆け引きも非常に難しい、バンプデイならではのエキサイティングな戦いが繰り広げられた。
 琢磨は2回の予選アタックを行い、31番グリッドを獲得。前日の予選前のクラッシュというアクシデントを乗り越えて、インディ500の決勝に最後列のイン側からスタートすることになった。次に琢磨が走行するのは28日の金曜日、カーブレーションデイだ。

Q:昨日、予選を目前にしてターン2でアクシデントを起こしました。どういう状況だったんですか?
A:予選のセットアップがちょっと行き過ぎてしまって、クルマが急にコントロールが効かなくなったんです。あれは想像すらしていなかった動きでしたね。予選のセットアップを試して行く中で、限界っていうものがすごくつかみづらくて、どこまでラインなのかがわからないところがあった。そういう中で、ひとつのセットアップがアグレッシブに過ぎて、いきなりリヤが抜けた。もう、何もできなかった。

Q:病院に運ばれ、検査を受け、予選1日目は走ることができなくなりました。
A:本当に大変な1日になってしまいましたね。それでも、アクシデントに至る直前までのフィーリングで、「あ、ここらへんがフィーリングとしての限界なんだな」っていうのを感じることができたので、ものすごくいい勉強になりました。

Q:2日あるはずだった予選が1日だけになった。何が気になりましたか?
A:今日、果たしてスピードを予選を通過できるまでに上げていけるのか?ってところでした。実際には朝のプラクティスでクルマに乗って、スピードに乗せるまでにはそんなに時間がかかりませんでした。

Q:今日はプラクティスで11周走り、午後に予選が始まると、すぐさま1度目のアタックをしましたが、まだあの時点では本当に準備万端ではなかったのではないですか?
A:あのアタックは、違う意味で必要だったんです。クルマがバラバラの状態から、チームがものすごくがんばってマシンを元に戻してくれました。それで今朝プラクティスを走れたんですけど、その時は僕自身のスピードを戻すのと、クルマのチェックとが目的だったので、ほぼレース用のセットアップだったんです。だから予選の前にシッカリと予選トリムで走っておきたかった。

Q:アタックできる回数が1回減ってしまうという心配はなかったんですか?
A:多少はありました。でも、暑い日中に1回アタックして、夕方に2回やるっていうのを目標にしたので、そんなに心配はしていませんでした。

Q:暑い日中は一切走りませんでしたが、スピードを出すためには意味がないと考えたからですか?
A:そうですね。僕自身としては、本当はレース用セットアップに戻してトラフィックの中で走りたかったんですよ。特にレースの決勝日も今日ぐらいの気温になるとしたら、いい練習になると思ったので。ただ、予選を1回走って、思ったほどクルマの速度が伸びなかったので、もう一度シッカリとクルマを見直そうとチームは考えて、だいぶ時間をかけてクルマを作り直していたんです。それが終わったら、もう3時近くになっていたので、ほとんどベテラン勢のレース用セッティングのための走りは終わりを迎えていました。その時点でもまだ気温は高くて、予選トリムをするにはグリップがなさ過ぎたんで、待っていました。

Q:5時半に予選の列に並ぶ。そういう作戦をチームは立てていたようですね?
A:はい、そうでした。

Q:残り時間が30分しかないってコトです。かなりシビアな状況ですよね?
A:かなり痺れましたね、あれは。

Q:ニュータイヤを履いて予選シミュレーション用にコースインをしたら、カナーンのアタックが始まるということでイエローになってしまった。それでピットに戻ると、タイヤを交換しないで予選の列に並びましたよね?
A:チームとしては予選アタックを夕方に2回やる計画でした。自分たちとしては時間的なことも考えながらセットアップを行っていて、ウイングを徐々にトリムして行ったんです。そして、予選を走るダウンフォースにたどり着いて、最後の確認をしようとコースに出たら、トニーの予選が始まっちゃった。ピットに戻ってからは、かなり大急ぎというか慌ただしかった。あのタイミングで急にみんなが列に並び出したので、残り時間の問題もあったから、自分たちとしてはコースから戻ったまま並ばなきゃならなかった。とにかくあのタイミングで列に並ぶことが大事だったんです。

Q:混乱の中で2回目のアタックが始まった印象でしたね?
A:はい。トニー・カナーンの予選が始まることになって、僕は結局走ったことのないダウンフォースレベルで予選に臨むことになったんです。タイヤは1周だけだけれどスカッフした状態のもののまま、燃料の量もそのままで、ミラーの角度やポジションとかも予選用にはなってなかった。ある意味、チームも大混乱でしたけど、あそこは賭けるしかなかった。

Q:2回目の予選アタックはどうでしたか? 2周目だけスピードが落ちましたが?
A:風の影響もあったけれど、グリーンフラッグを受けるラップでフィーリングを試して、後は1周の中でアンチロールバーを何度も動かして4周を何とかまとめ上げることができましたね。自分でもドキドキでしたよ。マシンが滑っていて大変だった。ちょっと怖かった。それでも3周、4周目は楽しめました。

Q:アクシデントで怪我をしなかったのは幸いでした。今、身体の状態はいかがなんでしょう?
A:体の方は大丈夫です。決勝まではまだ数日間ありますから、その時までには100パーセントに戻せると思っています。

Q:今の心境は?
A:とにかくチームが素晴らしい仕事をしてくれましたよね。あれだけ大きなアクシデントを起こしたクルマを、本当に元に戻してくれました。だからこそ僕は今日の朝、ちゃんと安定して走ることができました。昼間はものすごく気温が上がって、予選アタックは夕方まで待たなきゃいけなかった。最後はものすごい勢いで予選用のクルマを作ってくれましたね。そして、最後の30分はみんな大混乱の中にありました。タイヤはもともと使う予定じゃないタイヤで行くことになったし、予選アタックはあの1ショットだけになってましたからね。こうして予選通過ができたことは本当にうれしい。ずっとサポートしてくれて来ているファンのみんなと、これだけの難しいコンディションの中でクルマをしっかりと作り上げてくれたチームに感謝したいです。

Q:インディ500というレースに対する印象は?
A:すごいイベントですよね。多分、決勝日に初めてのレースを走るまで、インディ500の本当の大きさ、すごさは感じることができないのかもしれないけれど、今、こうしてグリッドを獲得できたことをファンタスティックと感じてます。

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