第12戦ミドオハイオ予選。ロータス/KVレーシングの佐藤琢磨はシーズン3度目となるファイアストン・ファストシックスに進出し、1分07秒4337のタイムで3番手を獲得。自己最上位グリッドから決勝レースに挑む。

佐藤琢磨(ロータス/KVレーシング・テクノロジー)
IZODインディカー・シリーズ第12戦 ミドオハイオ
予選:1分07秒4337 3番手

 インディカー・シリーズへのデビュー以来、佐藤琢磨は「事前のテストさえできれば……」と思い続けてきたことだろう。見たこともないコースでトップドライバーたちを相手に戦うことの不利はとてつもなく大きい。各レースでスケジュールされるプラクティスは回数は少なく、それぞれの時間も決して長くはない。その中でコースを覚え、マシンをセットアップし、プライマリータイヤの特性を把握し、オプショナルタイヤの性能を予測し、それらをフルに引き出さなくてはならない。開幕前に合同テストの行われたバーバー・モータースポーツパークは、第3戦の舞台だったが、そこで琢磨はデビュー3戦目にして予選6位に食い込んだ。知っているコースで、自らの走行データも持っていれば十分に上位で戦うことができる。琢磨はそれをシーズン序盤にして証明してみせた。そして今回、レースの1週間前にテストを実施したミドオハイオ・スポーツカーコースで、琢磨は自己ベストを更新する予選3位という結果を残した。ダラーラシャシーにホンダエンジンを搭載したインディカーというマシンと、ファイアストンのタイヤに対する理解を琢磨は驚くべき速さで進めてきているのだ。

Q:予選3位、おめでとうございます!
琢磨:これは嬉しい結果です。ホントに嬉しい。

Q:前にいるのはチーム・ペンスキーとチップ・ガナッシ・レーシングの1台ずつ。それだけ多くのライバルを上回ったということですね?
琢磨:そうですよね。ペンスキーとガナッシの二強もそうだけど、アンドレッティ・オートスポートも今年はロードコースで凄く速い。彼らの間に割って入れたことに対しては達成感もあるし、ここまでやってきたこと、テストとか、すべてがカタチになったという点で凄く嬉しいです。

Q:テストができずにレースを迎える状況が続いてました。フラストレーションがつのっていたと思います。今回はテストを行い、それを予選での好結果に繋げましたね。
琢磨:テストができれば、成果を出せることはわかっていました。どのレースでも、あと2セッション、3セッションあればライバルたちとほぼ同じところからスタートすることができるという自負はありましたから。でも、テストができないことで、いつも遅れている感じがありましたよね。それが今回はなかった。もちろん、昨日のプラクティスセッションでは、自分がみんなと違うプログラムをこなしていて、タイムが出せていなかったから精神的にはキツかったけど、そこは先週のテストと、今まで自分たちがやってきたこと、積み重ねてきたことを信じていました。今日、自分たちは絶対に良いパフォーマンスを出せるって確信があったんです。だから今日のプラクティスでまた一歩ずつ着実に進んで、予選で自己ベストラップをキッチリ更新してファイナルに進めた、そして3位になれたっていうのは凄く良かったと思います。

Q:今日の予選、ソフトコンパウンドのレッドタイヤをどう使う計画だったのですか?
琢磨:レッドの方が速いのはわかったんですけど、今日は物凄くフィールドのタイム差がタイトだったので、ブラックで走り出した第一ステージでしたけど、レッドを投入しなきゃいけないだろうとは思ってました。実際に使ってみての感触は、結構硬めっていうか、もうちょっとボーンッとグリップが上がってもいいかなって思ったけど、意外と硬めだったんで、その辺り、Q1からQ2、Q3にかけて少しずつ微調整してました。でも、バランスを取るのはとても難しかったですね。

Q:ファイナルでは全員がユーズドのレッドで臨みました。タイヤのパフォーマンスはどうでした?
琢磨:凄いコンスタントだったと思います。だから逆にタイヤのグリップダウンが、ソフトタイヤなのに、ソフトタイヤの中でもハードな傾向だったと思う。落ち込み度は少なかったから、Q3でも同じようなタイムを出せたんだと思います。自分たちもベストラップを続けて出すことができていたし、クルマの仕上がり具合もいいのかな? とも感じました。

Q:今回の予選ファイナル、今までの2回よりも戦える感触を持って臨めていたのではないですか?
琢磨:いや、やってみないとわからないって思ってました。ペンスキーやガナッシがブラックタイヤでQ1をクリアしてきていたら、勝ち目はなかった。でも、今日はそうはなっていなかった。彼らも追い詰められている状態というか、コンマ1秒で大きくポジションが変わる状況で、1秒の間に20台が入ってたぐらいだから、彼らも最初のステージからレッドを使っていた。それで僕らが真っ向から勝負ができたんだと思います。

Q:予選でレッドを長く使ったことで、決勝に向けたのデータも多く得られたのではないですか?
琢磨:それは明日の朝の課題になるとは思うんですが、今日の予選でベストラップが例えば3周連続出ているような状況を見ると、わりとコンスタントに走れるタイヤなのかな、とは思いますね。ただ、内圧の設定が凄いシビアなんですよ。この前のエドモントンもそうだった。スタートのタイヤプレッシャーをどうするか、レース中のタイヤプレッシャーも重要ですよね。そこら辺はペンスキーやガナッシが凄く速いところなので。その点を自分たちはもっと良くしていきたいですね。

Q:予選での自己ベスト更新で明日は2列目のグリッドからスタート! トップは目の前。今までと景色は大きく違いますよね?
琢磨:結構ドキドキするし、楽しみです。このコースって、予選のタイム計測、決勝スタート、そしてゴールの場所が全部違うので、それは明日、間違えないようにしないといけませんね。自分の周りは良いドライバーばかりなので、思い切りレースができると思います。1周目に何か不運が起こらないようにしたいです。

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