ルノーF1の元マネージングディレクター、フラビオ・ブリアトーレは、FIA世界モータースポーツ評議会でモータースポーツからの“永久追放”にあたる罰則を与えられたことに動揺し、自らの名誉回復のためにFIAを訴えることを考えていると報じられている。
ブリアトーレは事件への関与を否定し続けてきたが、WMSCはピケらが提出した証拠によりブリアトーレを有罪と判断、以下のような判決を下した。
「WMSCは、無期限で、FIAが、国際イベント、選手権、カップ、トロフィー、チャレンジ、またはシリーズがいかなる形であろうとブリアトーレ氏に関与することを承認せず、いかなる形であれブリアトーレ氏と契約しているチームあるいは他の団体に対しライセンスを承認しないことを宣言する」
「さらに、FIAが認可したイベントに出席する全オフィシャルに対し、FIAの管轄下にあるエリアへのブリアトーレ氏の立ち入りも許可しないようここに指示する」
「また、ブリアトーレ氏、あるいはブリアトーレ氏と関係する団体あるいは個人と提携している(マネージメント契約あるいは他の関係において)ドライバーに対しては、スーパーライセンスの更新を認めない」
「このような指示が無期限に適用されることが決定されたのは、WMSCが、ブリアトーレ氏が加担した違反の重大性、さらにあらゆる証拠が揃っているにもかかわらず違反への関与を否定し続けている彼の行動を考慮したためである」
ブリアトーレはイタリアのラ・ガゼッタ・デロ・スポルト紙に対し、“シンガポール・ゲート”の結末に“狼狽している”と認めている。彼は、自らの潔白を証明するためにFIAに対して法的手続きをとることを考えると共に、F1のライバルシリーズ立ち上げの可能性も検討していると言われている。
スペインモータースポーツ連盟のボス、カルロス・グラシアは、ネルソン・ピケが“刑事免責”を認められたことを批判するとともに、ブリアトーレへの処罰は重すぎるのではないかとの考えを述べている。
「ブリアトーレ(への処罰)は私には行き過ぎに思える」とグラシアはスペインのAS紙に対してコメントしている。
「彼を有罪とする明白な証拠は存在しておらず、彼は自分を弁護することもできなかった。彼が通常の形で自らの正当性を訴える可能性は否定できない。彼は生計を立てる手段を奪われたのだから」