2014年から、F1では1.6リッターV6ターボエンジンにエンジン規定が改められることになる。現行の2.4リッターV8エンジンでのF1から、いったいどう変貌していくのか。その全貌を、10月18日発売のオートスポーツがフランス、ヴィリシャチオンにあるルノースポールF1のファクトリーの協力を得た取材を通じて、詳しく解説してくれている。

 2006年以来、F1のエンジンは2.4リッターV8に統一され、甲高いエキゾーストノートや超高回転型の特性はそのままだったものの、技術の最先端を担う自動車メーカーの興味は薄れ、もっぱら開発の主眼は空力、そしてタイヤに置き換えられてきた。

 そんな中、2014年からの規定変更にともない、F1は1.6リッターV6ターボエンジン+ERS(エネルギー・リカバリー・システム)という構成になる。その他にも最高回転数は15000回転まで、直噴の義務づけ、燃料の瞬間最大流量=100kgなどさまざまな制限が設けられているが、最も重要なのは燃料タンクの100kgに制限されていることだ。現在の燃料消費は1レースあたり155〜160kg。これまでよりも大幅に燃料使用制限がかけられている。

 1.6リッターV6ターボエンジンというと、クルマに熱烈な関心を持っている人でない限り、「今ヨーロッパで流行のダウンサイジングターボでしょ」と思う人も多いかもしれない。しかし、フランスはヴィリシャチオンにあるルノースポールF1を訪れたオートスポーツ取材陣の目に入ったものは、「エンジンではなく、『パワーユニット』」と表現された、エンジンとエネルギー回生装置を複合的に備えたユニットだった。

 このパワーユニットは、90度V6・1.6リッター直噴ターボエンジンとMGU-K(モーター・ジェネレーター・ユニット-キネティック)、MGU-H(モーター・ジェネレーター・ユニット-ヒート)という装置から成る。今日のKERSと、熱回生装置を組み合わせたものが共同作業でマシンを推進する。

 これにより現在のV8エンジンからのエネルギー効率29%から、2014年のF1におけるパワーユニットでは、40%を超えるエネルギー効率を確保するという。逆にそれを達成し、きちんとゴールまで走りきるだけの燃費を達成しなければ、途中で止まってしまうということだ。

 F1が市販車と同じ方向性を持つことにより、2014年には“走る実験室”と言われたF1が帰ってくると本誌では述べる。2014年からのF1は、そして『パワーユニット』が目指すものとはなんなのか。驚異的な開発の舞台裏と、次世代の領域に踏み込もうとしている新たなF1の全貌を知ることができる。ぜひ御一読いただきたい。また、ルノースポールF1で働く東大工学部出身のうら若き女性エンジニア、永山枝里さんへのインタビューも収録している。

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