ベライゾン・インディカー・シリーズに今季から導入された新エアロキット。昨年のチャンピオンのウィル・パワーとインディ500ウイナーのトニー・カナーンは、新エアロキットがドライバーのレースの仕方を変え、マシン同士の接触が少なくなると語る。
2012年から導入されたダラーラDW12は、シャシーの主要部分をダラーラが製作し、ノーズやウイングなどボディパーツを他のメーカーが生産できるというコンセプトで導入されたシャシーで、今季からホンダ、シボレーがエアロパッケージを各々開発。各エンジンマニュファクチャラーの使用チームが、それぞれのエアロキットを使用し、先週末セント・ピーターズバーグで初めてのレースを迎えた。
ポールポジションを獲得したウィル・パワーは、予選中に13年間長きに渡って保たれてきたセント・ピーターズバーグのコースレコードを更新するなど、エアロキットの導入によって速さを増している。
しかし、ホンダとシボレーのエアロキット両方とも複雑な形状のフロントウイングを採用し、翼端板周辺などにも小さなウイングが装備されているため、決勝レースでは接触によって取れた破片を回収するために、何度かセーフティカーが導入された。
また、カーボン製の破片がコーストラックから90メートルほど離れた観客に直撃し、負傷するというニュースも報道されている。
レース終盤に前を走るファン・パブロ・モントーヤにオーバーテイクを試みたパワーは、彼と接触しフロントエンドの一部を失っている。
「違いが生じたよ。グリップを失ってしまった」とパワー。「彼らは数百万ドルを使い、ナイスなウサギの耳を風洞で付けたんだよ。それらを取り外さない方がベターだね」
「(レース終盤)もしグリップがまだ残っているなら、きっと他のマシンとの接触が少なかったんだろう」とパワー。
開幕戦で3位を獲得したカナーンは、接触に対してより用心しなければならないと感じている。
「新しいエアロキットによって、より接近したレースになっている。ある面では、それが非常に良いものだったと思うよ。でも過去には、接触しても何も起こらないような強度のあるマシンを僕たちは持っていた」
「何をしなけらばならないのか考える必要があるよ。誰とも接触してはいけないんだ。オープンホイールであってストックカーやツーリングカーではないからね」