トルコGPでルイス・ハミルトンに無線でジェンソン・バトンは仕掛けてこないと言ったのは、チーフエンジニアのとっさの考えであり、結果的にそれは間違っていたと、チームプリンシパルのマーティン・ウィットマーシュが述べた。

 レッドブル勢が同士討ちによって後退した後、ハミルトンとバトンが代わって1、2位を走行した。チームはふたりに対して燃料をセーブするよう指示していた。しかしハミルトンにのみターゲットタイムが示され、後にハミルトン自身はそのタイムが少し遅すぎたためバトンに追いつかれたと説明している。
 F1公式サイトが発表したビデオにはハミルトンとチームの無線での会話が公開されている。ハミルトンはチームに対して「ジェンソンが近づいてきている。ペースを落としたらジェンソンは僕を抜く? 抜かない?」と問いかけ、チームは「ノーだよ、ルイス。ノーだ」と答えている。しかしその後、バトンはハミルトンをオーバーテイクした。驚いたハミルトンだが、数コーナーにわたるバトルの後に再び首位を取り戻した。

 これに関してウィットマーシュは、F1公式サイトのインタビューにおいて、プリンシパルレースエンジニアのフィル・プリューはとっさに自分の考えでバトンは抜かないと答えたが、結果的にはそうはならなかったと説明した。
「ジェンソンは抜かないと言われた直後に、彼(ハミルトン)はジェンソンにオーバーテイクされた。フィル(・プリュー)が意見を言ったのだが、彼の意見は結果的に間違いだった。単純にそういうことだ」
「ふたりはレーシングドライバーだ。ふたりともあのレースではチャレンジに直面していた。最初からレッドブルもマクラーレンも予想より速いペースで走ったため、序盤は必要以上に燃料を消費してしまった。そのために燃料をセーブする方法を見つけなければならなかった。その影響でレース終盤には、どれぐらいプッシュできるかという難問に直面した。我々のドライバーたちはふたりとも勝ちたいと思っていたが、一方で燃料に気をつけるよう指示されていた。しかしその結果、フィルはジェンソンは抜かないだろうと考えてしまった。しかしその考えは間違っていた。ルイスがターン8であれほどペースを落とすとは予想されていなかった。ジェンソンは真のレーシングドライバーであり、彼はターン8でルイスが大きくペースを落とすのを見て、チャンスと考えオーバーテイクを仕掛けたのだ」

「ふたりとも自分たちはレーシングドライバーであることは承知している。ルイスは驚いて質問してきた。それに対してフィルはすぐさま直感で答えてしまった。彼はジェンソンは抜くとは思わなかった。彼はふたりとも燃料をセーブするよう指示されていることを知っていたからだ。ルイスはそれを理解していたし、簡単に優勝を手放すつもりはなかったので、力強い走りでオーバーテイクし、トップの座を守った。つまり、ふたりは燃料をもたせマシンを無傷のままで完走させるという調和を維持し、非常にフェアなバランスを保ったのだと考えている」

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