1996年のワールドチャンピオン、デイモン・ヒルは、ジェンソン・バトンは調子を取り戻し、チャンピオンにふさわしい力を見せ付けてタイトルを手に入れるだろうと述べた。
シーズン初めの7戦で6勝を挙げ、今季タイトルを獲得するのは確実だと見られていたバトンだが、シーズン中盤以降失速し、ルーベンス・バリチェロ、セバスチャン・ベッテル、マーク・ウエーバーといったライバルたちに追いつかれてきている。バトンのタイトル獲得が危うくなってきていると見られている中、ヒルは、バトンは最終的には持ち直すだろうと予想している。
「そんな風に断言できないよ」とヒルは、英クラッシュネット・ラジオの“バトンは危機的状況にいるのでは”との質問に対してコメントしている。
「確かにシーズン中盤は少し勢いが止まった。でもシーズン序盤のような調子で成功を収め続けるのは難しい。彼は今でも首位に立っているし、シーズン終盤に向けてだんだんと調子が戻っていくと思う」
「多くのドライバーがタイトル争いに加わり、優勝を争っているのはいいことだ。それによって少しは彼は楽になる。でも彼自身は、しっかり力を発揮して真のチャンピオンと評価されたいと思うはずだから、さらに優勝を狙いにいくだろう」
「とはいえ、私はベテラン勢のことも応援しているんだ。ルーベンスは愛すべき男だし、レースへの情熱を失っていない。今も速さを持ち合わせており、まだまだ終わってはいないのは明らかだ。見ていてわくわくするよ。タイトル争いに面白味を加えてくれていると思う」
ライバルのレッドブル・レーシング勢も両方のドライバーがタイトル争いに加わっており、現在ベッテルが上位に位置しているものの、ふたりの差はわずか1.5ポイントだ。チームがどちらのドライバーを優先するのか、難しいところだとヒルは言う。
「ワールドタイトルを争っている場合にはリードドライバーを優先するのは当然だと思う。でもそれはそれほど簡単なことではない。勝負はまだまだこれからだ。ふたりともこれから優勝する可能性はあるし、そうなれば10ポイント加算される。状況は大きく変わりうる」
