フェリペ・マッサの代役を務めることになっていたミハエル・シューマッハーがこれをキャンセルしたため、フェラーリはヨーロッパGPでテストドライバーのルカ・バドエルの起用を決めたが、この選択をスペインのモータースポーツ連盟会長、カルロス・グラシアが批判、地元ドライバーのマルク・ジェネを起用すべきだったと主張している。
シューマッハーは一度はF1復帰を決めたものの、バイクの事故による首の怪我がF1の2時間の走行に耐えられる状況でないことが判明したとしてヨーロッパGPへの出場を断念した。フェラーリは再び代役の検討に入るものと見られたが、シューマッハーの発表の直後にバドエルの起用を明らかにした。バドエルは現在38歳、最後にF1レースに出場したのは1999年シーズンである。グラシアは、スペイン バレンシアで開催されるヨーロッパGPでは、もうひとりのテストドライバーでスペイン出身のジェネを起用すべきだったと述べている。
シューマッハーの不出場が決まり、地元スターのフェルナンド・アロンソもルノーに科せられたペナルティにより現在のところ欠場しなければならない状況となっている。それだけにグラシアは、スペイン人ドライバーが起用されることを望んでいた。
「フェラーリの担当者たちがこれまで行ってきた決断の中で、これは最もばかげた決断のひとつだ」とグラシアはスペインのマルカ紙のインタビューにおいて怒りを表している。
「(短期間でF1に戻るという状況において)ジェネの方が準備が整っていると私は考える。彼は6月にはル・マン24時間で優勝し、このレースで勝利する力を見せつけた初めてのスペイン人ドライバーとなった。この勝利はフェラーリにとっても重要な要素だったはずだ。バドエルは3年もドライブしておらず、ジェネの方がずっと準備が整っている」