IZODインディカー・シリーズ第3戦ロングビーチで初優勝を飾った佐藤琢磨が、プレス向けの凱旋報告会見の中で、今シーズンここまで一貫して予選で速さを発揮できている理由を語った。
シーズン第3戦にして勝利を挙げた琢磨は、開幕戦から予選でフロントロウを獲得。第2戦では他のマシンの走行を妨害したとしてペナルティ受け、12番グリッドとなったものの、予選セカンドステージでは4番手のタイムを記録していた。そして、今回のレースも4番グリッドを獲得、初優勝へとつなげた。
琢磨は、第2戦と第3戦のプラクティスでいずれもタイムを伸ばせていないにもかかわらず、予選ではうまくセッティングを合わせこんで上位タイムを記録している。会見でその要因を尋ねられた琢磨は、次のように答えた
「偶然でもなんでもなく、理にかなっていることなんです」と自信の表情を見せた琢磨。
「AJフォイト・レーシングは、どこへ行ってもある程度通用するような基本のセットアップを持っています。それを元にコースの特性に合わせてセッティングをするのですが、いいものを持っているという自負があるから、1台体制でもコンサバにならずに色々なことを試すことができる。試してだめでも、ある程度の速さを持ったところに戻せますから」
今回のロングビーチでも、予選直前のプラクティス3で17番手と下位にとどまっていた琢磨だが、基本のセットアップがきちんとしていたことで比較的簡単にセッティングを修正することができたという。
「プラクティス1、2では上位にいましたが、予選直前の大事なプラクティスでは自分でも焦るようなポジションになってしまった。ただ、それは予選に向けて試していたことが原因だとわかったので、そうでない方向にシフトしました」
「でも、それは自分たちがブレないものを持っているとわかっていないとできないこと。それがないと、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、なぜ速いのか遅いのかもわからないという状況になってしまうんです」
また琢磨は、開幕からチームとしての立ち位置が把握できていることで、エンジニアに対する要求も明確にでき、それが速さにもつながっているのだという。
「自分の中でもソフトタイヤを履いたときはこうだ、というようなイメージができているので、エンジニアにも明確な要求ができる。それがうまく行っているからこそ、プラクティスで上下しても予選では戻ってこられているのだと思います」
5月5日にブラジルで開催される第4戦サンパウロに向けても「初心に帰って、しっかりとしたレース運びで優勝を狙いたい」と意気込んだ琢磨。さらに、「インディ500でもトップを走りたい」と語ったその表情は、自信に満ちたものに感じられた。