2015年のF1マシンは開幕戦の時点で昨年より1周あたり3秒速いペースを発揮するかもしれないと、F1公式タイヤサプライヤー、ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーが予想している。
新V6ターボエンジンが導入された2014年にはF1のスピードに不満の声が出ていた。だが、全チームの開発状況を知るヘンベリーは、空力面の開発やエンジンのアップグレードによって今年は大幅にペースが上がると考えている。
「初期データによると、大きな向上が見られることになりそうだ」とヘンベリー。
「チームはこの冬の間、パワートレインをはじめ、さまざまな面で変更することができる。(開幕戦の)メルボルンまでには、あるいは遅くとも(第3戦)中国までには、昨年よりも大幅なペース向上が見られるだろう」
「我々は常に動くターゲットを追いかけている。昨シーズンより1周あたり2秒から3秒速くなるかもしれない。それは大きな変化だ」
「昨年は保守的な選択だったタイヤが今シーズンにはアグレッシブな選択になるかもしれない」
ウイリアムズのテクニカルディレクター、パット・シモンズは、今年はノーズデザイン変更のためダウンフォースを失うことになるが、それでも開発を急速に進め、マシンのペースをどんどん向上させることができると述べている。
「我々は常に進化しており、マシンはどんどん速くなる」とシモンズ。
「2015年には空力面で打撃を被るが、それを乗り越えることができるだろう」
2014年最初のドライコンディションでの予選はバーレーンGPで、ポールポジションタイムはメルセデスのニコ・ロズベルグがマークした1分33秒185だった。2013年のバーレーンでもロズベルグがポールポジションを獲得、そのタイムは1分32秒330だった。
現在のバーレーンのレイアウトでの予選最速タイムは、2004年にミハエル・シューマッハーが記録した1分30秒139。もしヘンベリーの予想が正しければ、今年はこれに匹敵するタイムが出るかもしれない。