レッドブルのチームボスを務めるクリスチャン・ホーナーは、現在のF1への不満はあるものの、フォーミュラEとF1を比較するのは適切ではなく、FEはGP3にとってのライバルとなりうると語った。

 6月27日〜28日のロンドン戦で2014-2015のシーズンエンドを迎えたFE。世界初のEVフォーミュラシリーズとして注目を集めただけでなく、参戦ドライバーのラインナップもF1経験者を筆頭に実力派が集結。王座争いも最終戦までもつれ込むなど、見応えのあるシーズンが展開された。

 そんなFEについて、ヴァージン・レーシングのチーフを務めるリチャード・ブランソンはEE最終戦の現場で、このシリーズは「4〜5年以内にF1を追い抜くだろう」と大胆に予測している。

 一方、このブランソンのコメントに対する感想を求められたホーナーは、FEはF1をライバルとして考えるべきではないと語った。

「日曜日にFEのレースを見て、これはF1よりもGP3にとっての競合相手になると思ったんだ」とホーナー。

「マシンの速度も低かったし、立ち位置がF1とは異なる」

「レースの途中でマシンを交換するというのも、それが持続可能なエネルギーに対する大きなメッセージになるのかといえば、それは分からない。たとえ、そうしなくてはレースを走り切ることができないのだと言われてもね」

「もちろん、それによってFEの価値が下がるわけではない。そこに到達するため、彼らはよくやっていると思う。ただ、F1と同じ文脈で比較することはできないんだ」

 FEでは、レーススタート直前までファンによるドライバーの人気投票を行なっており、最終的にこのランキングで上位3名に入ったドライバーには、レース中にエクストラパワーを得ることができる『ファンブースト』が与えられるというシステムがある。ホーナーは、このファンブーストについてはポジティブな印象をもっているという。

「あれはFEで私が好ましく思っているもののひとつだ。ファンとの相互関係というのは素晴らしい」

「ファンがドライバーに投票することで、(ドライバーが)ファンブーストを得られるというのは、有効なものだと思うよ」

 ただ、FEとF1との比較を退けたホーナーではあるが、現在のF1は「簡単すぎる」との批判も口にした。ホーナーは、レッドブルの支援のもとでGP2を戦っているピエール・ガスリーが、オーストリアGP後のインシーズンテストで今季のRB11走った後、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでRB1をドライブした際の反応の違いを比較して、現在のレギュレーションはドライバーの成長につながらないのだと語った。

「彼は、(RB11の)ストレートはGP2カーとそう変わらず、意外にもコーナーでもさほど多くの違いはないと言うんだ。主要な差はブレーキ性能なのだと話していた」とホーナー。

「パワーステアリングや、制御面の向上によって、マシンをドライブするのは本当に簡単になっている。彼はその後、我々の所有するV10のマシン、RB1をグッドウッドでドライブしたのだが、『ワオ! これは本物のビーストだ』と言っていたよ」

 ホーナーは、パワーステアリングもこの問題のひとつの要素でしかないと語り、「マシンは素晴らしく洗練されているが、ドライビングは比較的快適になってきている」と続ける。

「ドライバーはハードに働かなくてはならないとは感じていないし、首の不調を訴えることもない」

「ガスリーは走行に入り、何の問題もなく100周をこなした。これは6〜7年前にはありえなかったことだよ」

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