NASCAR SPRINT CUP SERIES 第9戦 Aaron's 499
開催日:4月26日
4台の“トヨタ カムリ”がトップ10フィニッシュ
4月26日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第9戦「Aaron's 499」が開催された。
年に2回スプリント・カップ・シリーズ戦が開催されているタラデガは、1周2.66マイル(約4.3km)とシリーズ中最長を誇り、デイトナと共に、馬力を制限するためのリストリクター・プレート(吸気制限)取り付けが義務づけられている。
コース幅も広く、超高速なコースと制限された馬力によって、空力が非常に重要となる。「ドラフティング」と呼ばれる、縦に複数台が連なった状態で空気抵抗を軽減するテクニックを用いることで、1台が単独で走行するよりもペースを高めることが出来る。逆に言えば、ドラフティングの列から外れることで、一気にポジションを落とすこともあり得るため、ポジショニングや戦略の面でも非常に難しいコースである。
25日(土)午前10時から予選が行われ、スコット・スピードが“トヨタ カムリ”勢最上位の8番手。デニー・ハムリンは18番手、ジョーイ・ロガーノが22番手、カイル・ブッシュが23番手につけ、13台の“トヨタ カムリ”が決勝へと進んだ。
26日(日)は好天に恵まれ、グランドスタンドを埋め尽くした14万人を越える観衆が見守る中、午後1時20分に2.66マイルオーバルを188周(500マイル:約800km)して競われる決勝レースのグリーンフラッグが振られた。
序盤から3列の長い隊列で激しい順位争いが繰り広げられた。中団からのスタートながら、ロガーノとハムリンは隊列の上位グループへと早くもポジションをアップ。
スタート間もない7周目に16台が巻き込まれる大クラッシュが発生したが、その後は大きなアクシデントもなく、めまぐるしくラップリーダーが入れ替わる展開でレースは進んだ。
ハムリン、ロガーノと共に上位グループに浮上したKy.ブッシュは、154周目にこの日4度目の首位奪取。しかし、残り20周を切った171周目に、後方車両からのプッシュでバランスを崩し、スピン。クラッシュは免れたものの、エンジンの再始動が出来ず、周回遅れとなってしまった。
そのイエローコーションからの再スタートでは、ハムリンが中団から一気にポジションを上げ、2位に浮上したが、ドラフティングの位置争いで、押し出される形で隊列から外れると、一気にポジションダウン。ハムリンは180周目にも他車と接触を喫し、完全に上位争いから脱落してしまった。
184周目、残り3周でこの日最後の再スタートが切られたが、ファイナルラップの最終コーナー、チェッカー目前で首位を争う2台が接触。カール・エドワーズ(フォード)がスピンしたところに後続が突っ込み、回転しながら舞い上がったエドワーズの車両は観客席前のフェンスに激突するという激しいレースの幕切れとなった。
このクラッシュで、最終コーナーの後続は混乱に陥ったが、これを上手くかわしたマーコス・アンブローズが“トヨタ カムリ”勢最上位の4位でフィニッシュ。5位にスピード、8位にブライアン・ヴィッカーズが入った。154周目の再スタート時にはトヨタ勢最上位の5位に付けていたロガーノは、混乱に巻き込まれ、9位フィニッシュ。“トヨタ カムリ”は波乱のレースで4台がトップ10フィニッシュを果たした。また、スピードとロガーノは、共にスプリント・カップ・シリーズで初めてのトップ10フィニッシュとなった。
次戦第10戦は5月2日(土)、米国東部ヴァージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイでナイトレースとして開催される。
ドライバー マーコス・アンブローズ:
「今日は隊列の選択が上手く行き、後はそのポジションを守るだけだった。フィニッシュラインを目前にしてのトップ争いのクラッシュでは、目の前でレースカーが逆さまになりながら回転しており、私の人生でもっとも驚くべき光景だった。素晴らしい仕事をしてくれたクルーに感謝したい。我々は全く新しいチームとして集まり、まだ一緒にレースを戦うようになって日が浅い。初めてのタラデガでトップ5フィニッシュを果たすことが出来たのは彼らクルーやスポンサー、支援してくれた全ての人々のおかげだ。この結果には本当に感激している」
NASCAR NATIONWIDE SERIES 第8戦 Aaron's 312
開催日:4月25日
ジョーイ・ロガーノが3位フィニッシュ
4月25日(土)NASCARネイションワイド・シリーズの第8戦「Aaron's 312」がタラデガ・スーパースピードウェイで開催された。
24日(金)午前10時半から予選が行われ、ブライアン・ヴィッカーズが2番手、ジェイソン・リフラーが4番手、ルーキーのスコット・レガセイ・Jr.が8番手、カイル・ブッシュが9番手につけ、エントリーした10台の“トヨタ カムリ”全車が決勝に進んだ。
25日(土)午後2時22分に、2.66マイルオーバルを117周(311.22マイル:約500km)する決勝レースがスタート。
ヴィッカーズとリフラーがドラフティングで首位につけると、好走を見せるレガセイ・Jr.がアウトからこれをかわし、自身初めてのリードラップを獲得。まもなくロガーノとKy.ブッシュも加わり、激しい首位争いが繰り広げられた。
このレースで最多となる31周にわたってリードラップを獲得したKy.ブッシュであったが、2位走行中の104周目に、バランスを崩した他車に接触され、修復のためにピットイン。29位まで大きくポジションを落としてしまった。
レースはゴール目前の115周目にクラッシュでイエローコーションとなり、3周延長されて“グリーン・ホワイト・チェッカー”で勝負が付けられることとなった。
シングルファイル(1列縦隊)で再スタートが切られたが、ファイナルラップの最終コーナーで各車が勝負をかけ、上位勢は一団となってチェッカー。7位で再スタートを切ったロガーノは、最後に好位置でポジションを上げ、3位でフィニッシュした。ロガーノは、これで3戦連続のトップ3フィニッシュ。
6位にリフラー、ルーキーのレガセイ・Jr.は、タラデガでの初レースながら、自己最高位フィニッシュとなる8位に入った。Ky.ブッシュも残り20周を切った時点で大きくポジションを落としながら、素晴らしい追い上げを見せ、10位。4台の“トヨタ カムリ”がトップ10フィニッシュを果たした。
次戦第9戦は5月1日(金)にリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。
ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「タラデガは私にとって経験を積む、学習の場だ。レーススタート時に学んだことの全てを、レース終盤に試みた。バックストレートを過ぎた時点では、勝利を狙えるとは思っていなかった。しかし、ベストを目指して望み、努力すれば結果はついてくるものだ。デヴィッド(・レーガン)が右前にいて、私が彼の後方につけたことで、我々はポジションを上げることが出来、彼はネイションワイド・シリーズ初優勝を果たした。我々は小さな頃、ジョージア州でレジェンドカーで走っていた頃から戦っていた中だ。それだけに彼の勝利は非常に素晴らしい。もちろん私も勝ちたかった。しかし、全体的に見れば、今日は良い一日だったと言えるだろう 」
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES 第5戦 O'Reilly Auto Parts 250
開催日:4月25日/27日
雨で順延、短縮終了となったカンザスで
“トヨタ タンドラ”トップ3独占!
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第5戦「O'Reilly Auto Parts 250」が4月25日(土)と27日(月)、米国中部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで開催された。
25日(土)決勝を前に午後12時45分から行われた予選では、マイク・スキナーが最前列2番手を確保。ディフェンディングチャンピオンのジョニー・ベンソンが5番手につけ、13台の“トヨタ タンドラ”が決勝に進んだ。
続いて午後5時9分に1.5マイルオーバルを167周(250.5マイル:約400kmp)して競われる決勝レースがスタート。
2番手グリッドのスキナーがスタートで飛び出し、首位を奪取。ポールポジションのロン・ホーナディ(シボレー)との首位争いを展開した。しかし、スキナーが首位を走行していた52周目、降雨に見舞われ赤旗中断。レースは27日(月)に順延されることとなった。
27日(月)は当初午前10時からレースが再開される予定となっていたが、月曜日も天候に恵まれず、予定よりも更に4時間近く遅れて、午後1時50分過ぎにレースが再開された。
首位でスタートしたスキナーは、レースが折り返しとなる87周目までポジションを守ったが、87周目のイエローコーションで全車ピットインした際、4本全てのタイヤを交換したことで大きくポジションを落とし、14位に後退。
しかし、そこから素晴らしい追い上げを見せたスキナーは、100周目には5位に浮上。 102周目に再びイエローコーションが出されると、今度はピットで僅かな燃料のみを給油する「スプラッシュ&ゴー」作戦を採り、首位に浮上した。
レースは123周目に再び降雨に見舞われ、イエローコーション。イエローのまま走行は続けられたが、天候の回復は見込めず132周目に再び赤旗中断。レースはその時点で終了することとなった。
この結果、スキナーが今季初勝利。2位にはベンソン、3位にブライアン・スコットが入り、“トヨタ タンドラ”は、今季4勝目をトップ3独占で飾った。スキナーは、ドライバーズランキングでも首位に躍り出た。
次戦第6戦は5月15日(金)に米国東部ノースカロライナ州コンコルドのローズ・モーター・スピードウェイで開催される。
ドライバー マイク・スキナー:
「今日の我々の“トヨタ タンドラ”は、5位あたりにはつけられる速さを持っていた。天候のいたずらがあり、コースコンディションの変化もあったが、我々の“トヨタ タンドラ”は良い仕上がりだった。クルーチーフを初め、スタッフも良い仕事をしてくれた。我々のチームは、ここに至るまでに大きな努力を重ねてきた。これからもプッシュして行くが、今シーズン中にもう何戦か勝利が挙げられることを願っている」
